Naoko Aono

Naoko Aono / Writer
青野 尚子/ライター

アート、建築関係を中心に活動しています。趣味は旅行と美術鑑賞と建築ウォッチング。ときどきドボクも。共著に「新・美術空間散歩」(日東書院本社)。

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アジア回廊現代美術展

アジア回廊現代美術展

チェ・ジョンファ作品はいろんなフルーツが実る木。バルーンでできています。

アジア回廊現代美術展

二条城の台所に転がる巨大な大根。これもチェ・ジョンファの作品です。

京都・二条城で開かれている「アジア回廊現代美術展」を見てきました。日本・中国・韓国の各国政府から選定された都市が1年を通じて文化交流イベントなどを開く「東アジア文化都市」の一環として行われているもので、今年、日本からは京都がその文化都市に選ばれたというわけです。なのでアーティストも日中韓から選ばれています。

韓国出身のチェ・ジョンファはカラフルなオブジェが特徴。上の二つの作品はバルーンでできていて、呼吸するかのように動いています。

アジア回廊現代美術展

右はチェ・ジョンファ、左は草間彌生作品。

アジア回廊現代美術展

宮永愛子作品。

アジア回廊現代美術展

キム・スージャ作品。

キム・スージャの作品は床に鏡を貼ったもの。天井が映り込んでいます。さらにそこに、裏表とも鏡でできた屏風を置きました。景色が複雑に映り込んで、空間の感覚を変えてしまいます。

アジア回廊現代美術展

ツァイ・グオチャン(蔡國強)「盆栽の舟」。

アジア回廊現代美術展

横から見るとこんな感じ。

ツァイ・グオチャンは昨年、奈良で開かれた「東アジア文化都市」で東大寺の池に浮かべた舟を二条城に持ってきました。舟には5本の松の木が植えられています。舟が鉢に見立てられているのです。日本では「枯山水」のように庭園の小石を川に見立てたりする文化がありますが、この見立てはまたずいぶんとダイナミックです。大きな岩の上に祭り上げられて動かない舟は何を象徴しているのでしょうか。

アジア回廊現代美術展

「西京人」《第4章:アイラブ西京ー西京国大統領の日常》。執務室のようなスペースです。

西京人は2007年、小沢剛と中国出身のチェン・シャオション、韓国出身のギムホンソックによって結成されたユニット。「西京」という架空の都市国家を想定し、そこでの政治や教育などの様子を作品にしています。これまでにも金沢21世紀美術館などで展示してきましたが、二条城の台所という舞台だと「大統領の日常」というテーマもいかにもそれらしく見えてきます。

アジア回廊現代美術展

東南隅櫓にある久門剛史作品。柱時計の振り子のように光が動いています。

二条城は歴史的建造物であり、展示にはいろいろと制約もあるのではないかと思いますが、美術館とも、もちろん毎日私たちが暮らしている家やオフィスとも違う空間で現代美術を見るのは面白い体験です。貴重な文化財を貸し出してくれた二条城には感謝です。私は個人的にあの国宝・松本城でこのような催しを誰かやってくれないものか、ずっと夢見ているのですが、どなたかいかがでしょうか。

アジア回廊現代美術展は10月15日まで。会場は二条城のほか、京都芸術センターにもあります。そちらは写真がありませんが、今村源さん作品は必見です。会期中無休。

京都では9月30日まで、「京の夏の旅 文化財特別公開」として近代建築や庭園の傑作を見ることができます。「本野精吾自邸」や「京大 花山天文台」などこちらも通常非公開の貴重な物件ばかり。あわせて見るのもお薦めです。

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