Makoto Sasaki

Makoto Sasaki / video director/ movie director
佐々木 誠/映像ディレクター/映画監督

98年より音楽プロモーション映像やテレビ番組などを演出。ドキュメンタリー映画とドキュメンタリー風のフィクション映画も監督している。今まで撮影で訪れた場所で好きなのはケニアとインド、そしてハワイ。
http://sasaki-makoto.com

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日野原重明先生との思い出。

先日、聖路加国際病院名誉院長として知られる日野原重明さんが105歳で亡くなられました。

http://www.asahi.com/articles/ASK3R7QBZK3RULBJ01T.html


11年前、私は日野原先生とご自身が主催しているシニア野球チームを描いたドキュメンタリー番組を制作することになり、数日間、先生と行動を共にさせていただきました。
ちょうどワールドカップの時期で、先生も毎日朝まで観ていたらしく撮影の合間、サッカーの話(野球でなく。笑)で盛り上がりました。各国の状態やそれぞれの選手に関しても私なんかよりお詳しく、ゲームの分析も抜群で驚きました。
先生はその時、94歳でしたが、3階くらいまでならエレベーター使わないし、野球の試合でご自身も打席に立ちヒットも打ってました。

その野球チームは、先生より少し下の70代、80代の方が多かったのですが、私は全員に同じ質問をしました。

「あなたの人生、野球に例えるといま、何回ですか?」

ほとんどの人は(だいたい考え込まれて)、

「9回の裏」
もしくは
「まだバッターボックスにも入ってない」
という答えでした。

先生にも同じ質問しました。

「7回の裏だな」
と先生は全く考えることなく即答しました。

なぜですか?

「7回の裏はね、野球の中で一番ゲームが動く時なんだよ」
とニヤリと答えた先生の横顔はクールでした。

私はすっかり魅了されて、
「先生、来年の今頃、シニア野球大会が開催される時期、またお会いして撮影させていただきたいです」
と思わず言ってしまいました。

先生はスケジュール帳出してきて、
「来年の今頃はスペインに行ってるから無理だなぁ」
とおっしゃったので、
「一年後の予定も決まってるんですか!?」
と驚いて返すと、秘書の方がやってきて、
「3年先まで決まってますよ」
と。

いや、凄まじいバイタリティ・・。


先生のお話で印象的だったのは、自分は長年、自分のため、自分の研究のためにしか生きてこなかったが、59歳の時、よど号ハイジャック事件に巻き込まれ、人質になって死を覚悟をしたとき変わった。今後の人生は人のために生きようと思った、というエピソードです。
それが今のエネルギーに繋がっている、と。

そして、
人生、60歳からでも変われるんだ。まだまだミラクルなことはたくさん起きるよ、君にも。

と力強く握手してくれたことはいまも強烈に残っています。

短い期間ですがご一緒できて光栄でした。

ご冥福をお祈りいたします。

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