英国グラフィック集団「TOMATO」25周年展で、いろいろと考えさせられまして
Kazushi Takahashi

Kazushi Takahashi / Fashion Writer
高橋 一史/ファッションライター

明治大学&文化服装学院卒業。編集者がスタイリングも手がける文化出版局に入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。担当ジャンルは、ファッション&音楽。退社後はフリーランスとして、原稿書き・雑誌編集・コピーライティング・広告ディレクション・スタイリングなどを行う。
kazushi.kazushi.info@gmail.com

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英国グラフィック集団「TOMATO」25周年展で、いろいろと考えさせられまして

英国グラフィック集団「TOMATO」25周年展で、いろいろと考えさせられまして

展覧会のエントランスすぐ。

イギリスのチーム「TOMATO《トマト》」は、1990年代を象徴するグラフィック集団です。

壊れたような文字のタイポグラフィーをフル活用して、アナログからデジタルへと移る過渡期にブレイクした人たち。

最先端ポピュラー音楽とも親和性が高く、「ストリート」なカルチャーを押し広めた立役者ともいえるでしょう。


そんなTOMATOの25周年記念アーカイブ展覧会が、東京「渋谷パルコ Part1」で4月3日(日)まで開催されてます。

真っ白く四角い空間が、グラフィックで埋め尽くされてます。

各タイトルや説明を何もつけない、潔い見せ方。

それでOKなのだと思います。

これはもう、好きか嫌いか、ドキドキするか退屈か、知ってるか知らないか、そのどちらかでイイ。


彼らが出現した当時は私も若かったですし、そりゃ夢中になったモンです。

(TOMATOの仕事に、というより、ハードなグラフィック全般に)

この展覧会は現在10〜20歳代の、「90年代なんざ知らねー」って人に見てもらいたいんですよね。

そして、彼らの感想や意見をぜひ聞きたい!

理由があるのですが、このお話は後述します。

英国グラフィック集団「TOMATO」25周年展で、いろいろと考えさせられまして

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過去から現代までのミックス。

「TOMATO」を世界的に有名にした大きな理由は、エレクトロデュオ「アンダーワールド《Underworld》」がメンバーにいること。

大ヒットした彼らの代表曲「ボーン・スリッピー《Born Slippy 》」が劇中で大音量で鳴り響く、1996年の映画「トレインスポッティング《Trainspotting》」ではTOMATOがアートワークも手掛け、一躍時代の寵児になったというワケです。


Underworld - Born Slippy (Nuxx)

この曲はやっぱりスゲエですね!

途中から「ドン!ドン!」と心臓の鼓動のごときリズムが加わり、ラストまで疾走していく。

これはショートVer.だから、後半のインストゥルメンタルパートが延々と続くロングVer.ほどの良さはありませんけども。

曲の構成が素晴らしいから、映像も動きまくっているとお互いが衝突しますね。

でもそれは、いまの時代だから感じることでしょうか。

当時は表現方法も含めて、従来型の「ロック」ではなく、斬新な「ストリート」でした。

ダンスミュージックやヒップホップのクラブカルチャーが、ロック音楽よりカッコよく思えてました。

同時期の映画「セブン《Seven》」のオープニング映像も当時話題を集めましたが、タイポはこれと似たテイストです。

(セブンのOPは映像作家カイル・クーパー《Kyle Cooper》の仕事)

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1994年 UNDERWORLD「COWGIRL」。

ボーン・スリッピーより前の曲です。

映像のデザイン性はこちらの方が上かと。

Underworld - Cowgirl

ところで!

TOMATOの仕事で日本でもっとも知られているのは、「テレビ朝日」のロゴでしょう。

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「テレビ朝日」のロゴ。

グラフィックが動く社の宣伝CMで使われていた曲もアンダーワールドです。

音楽もビジュアルも、自分たちで全部まかなえるって便利だな。

(収入も独占だ w)

英国グラフィック集団「TOMATO」25周年展で、いろいろと考えさせられまして
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こんなグラフィックを見ちゃうと、否が応でも当時の自分が思い起こされます。

なにせ、

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こんなの買ってましたから(いまでも持ってる)。

東京・代官山で、階段上がって2階の小さなTシャツの店を発見して、オトナでもないのに何枚もオトナ買いしたうちの一枚。

当時は「サイモン・テイラー《Simon Talor》」の名も、彼が在籍するTOMATOも知りませんでした。

店は彼のブランドの専門店。

たぶん93、4年だったので、91年設立のTOMATOはイチ早く日本のマーケットに目をつけてたことになりますね。

英国グラフィック集団「TOMATO」25周年展で、いろいろと考えさせられまして

このデザインはいまでも好きです!

何の意味もないピクトグラムがイイ。

本来は役割があるモノを、無駄に使うという w


パルコ Part1の地下では、アンダーワールドのボーカルでアーティストでもあるカール・ハイド《Karl Hyde》のインスタレーション部屋も設置されてます。

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「東京ストリートポエム」だそうな。

よく分かんなかったです ^^


さて最後に、

冒頭で触れたことについて。

いろいろと語りましたけど、個人的にはこのTOMATO展にさほどワクワクはしませんでした(んっ?)。

古い映像も、優れているとは思いつつグッとくることはなく(曲そのものには心動かされます)。

あまりノスタルジー趣味がない人間ということもあり、ギャラリーに1人佇んでいても、「こんな時代だったよな」というあっさり気分で。

「あの頃は大好きだった」という思いが強く、冷静な自分を悲しく思ったり、志向性の移り変わりを実感したり、でもここにあるのは過去の流行のデザインなのかな?とも思ったり。


ぜひ、頭がまっさらな若い人にご覧いただきたいです。

(入場料大人 ¥500で安いし)

カルチャーミックスが当たり前な世代がどう感じるかが気になります。

同世代の人とは感想を言い合う気がしません。

昔自分が好きだったモノを、「現代でも通用するよね!」って会話になりがちですから。

年寄りの慰め合いみたいなのは、良くないんです。

ボーン・スリッピーも、若者が聴いたらダッサイ音楽なのかなぁ !?


自分が影響を受けてきたモノに固執しないことが、未来と関わる上で大切だと思ってます。

てか、メディアで仕事している以上、ある程度の「真実」を探りたい。

客観視って難しいですよね。

しかし、身勝手な主観こそが骨太を生むこともあるでしょうし、う〜ん、頭がゴチャゴチャだゎ!

英国グラフィック集団「TOMATO」25周年展で、いろいろと考えさせられまして

建物上部のタイポグラフィーが展覧会のビジュアルです。


All Photos © Kazushi Takahashi

撮影:高橋一史

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