毛羽立ち素材 ブークレ、カセンティーノ、モヘア:用語解説
Kazushi Takahashi

Kazushi Takahashi / Fashion Writer
高橋 一史/ファッションライター

明治大学&文化服装学院卒業。編集者がスタイリングも手がける文化出版局に入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。担当ジャンルは、ファッション&音楽。退社後はフリーランスとして、原稿書き・雑誌編集・コピーライティング・広告ディレクション・スタイリングなどを行う。
kazushi.kazushi.info@gmail.com

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毛羽立ち素材 ブークレ、カセンティーノ、モヘア:用語解説

“最近耳にするけど、なんだかよー分からんファッション用語” 解説第3弾です。

第1弾は「ネオプレン」。
第2弾は「ダブルフェイス、ニードルパンチ」。

今回は、今季秋冬に多く出回っている毛羽立ち系素材を取り上げます。
流行が落ち着いたトラッドな英国調ツイードと、再び注目されてきたクールなモード系との中間地点にある素材、という感じ。
シワにならず汚れも目立たず暖かく、いい素材だと思いますよ!
ただちょっと女性的なイメージですから、抵抗感がある人もいらっしゃるかも。


★ブークレ
毛羽立ち素材 ブークレ、カセンティーノ、モヘア:用語解説
毛羽立ち素材 ブークレ、カセンティーノ、モヘア:用語解説
表面がループ(輪っか)になったツイード素材です。
輪がポツポツと見えるのがお分かりでしょうか?
この服は後述する「モヘア」に似た長い毛足で覆われてます。
タオルのパイル地も実は毛足の一つ一つがループ状になっています。
製法は違えど、パイル地の拡大版(?)と思えばイメージしやすいかと。

「ブークレ」=「bouclé」(フランス語)=「輪」。
ブークレはイタリアもののアウターに多く見られます。
掲載のジャケットも、ファンシーツイード使いで人気急上昇のイタリアブランド「エルネスト」。

ループ状の似た素材感では、ウール糸が縮れることを活用した素材の「アストラカン」というものもあり。
本来は毛がついたままの子羊の革を差す用語ですが、ぎゅっと目が詰まったタオルのような織物もそう呼ばれます。
「アストラカン・ウール」などと。
大きなうねりがあるのが特長です。

本来の革のアストラカンは素材の特色か、染色が難しいためか黒い色が多く、高級なモードブランドのレザーブルゾンなどに用いられることが多いです。
「ムートン」」でいいんじゃね?と思いますけど……。
あ、英語圏の人にはムートンじゃなく「シープスキン」(羊革)と言わないと意味通じませんからご注意を。

下写真は別の服のブークレ素材クローズアップです。
その下は「ビームスf」のプレス向け内見会の展示風景。
今季はコートでもこうした毛羽立ち素材が多いですね。
毛羽立ち素材 ブークレ、カセンティーノ、モヘア:用語解説
毛羽立ち素材 ブークレ、カセンティーノ、モヘア:用語解説
続いて、上写真ラック右端の緑のコートの素材を解説します。


★カセンティーノ
毛羽立ち素材 ブークレ、カセンティーノ、モヘア:用語解説
毛羽立ち素材 ブークレ、カセンティーノ、モヘア:用語解説
えっ、毛玉 !? と思いますよね、そーです毛玉ふうに仕上げられた織物です。
実は中世時代からつくられ続けてきたイタリア伝統産業。

髪の毛と同様にスケール(うろこ)がある羊の毛が緻密に絡まっているため空気を含み外気をシャットアウト。
また、体の熱で暖められた空気も外に逃がしませせん。
ワークウェアとしても着やすい素材なんです。
それに、手入れをせず着続けてボロボロになっても「そーゆー服だから!」とごまかせるというメリットも。

製造方法は、スケールの特徴を生かして織物を熱で縮めてつくります。
セーターを洗って乾燥機に入れて乾かしたらフェルトみたいに縮んでしまった、という失敗を何度も経験している私には、見慣れた風合いです ^^;
掲載のコートはイタリア「イレブンティ」。
白系の色を使うあたりがさすがのセンス。


★モヘア
毛羽立ち素材 ブークレ、カセンティーノ、モヘア:用語解説
「モヘア」とは糸の名前で、アンゴラ山羊の毛のことです。
うさぎの「アンゴラ」ではなく、「アンゴラ種の山羊」(ややこしい)。
モヘアニットは、毛羽立ちのあるモヘア毛糸を使ってふわっと毛羽立たせた編み物。
アンゴラの毛を使ったニットと同じような風合いです。

スケールが多く滑りが悪いからこそ編んだり織ったりしたあとに組織が安定するウール糸と違って、スケールが少なく滑りがいいモヘア糸単独では製品にしにくいため、ウールなどと混ぜてつくられます。
モヘア糸を使っていなくても、こうしたニットは総称としてモヘアニットと呼ばれるのがまたややこしい。
販売店に行き、「モヘア100%じゃないし、そもそもモヘア糸使ってないからニセモノだ!」などと叫ばないよーに。

今年はどのブランドでもモヘアニットが多いです。
好きな人は買い時のシーズンかと。
パンキッシュな「コム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン」はその代表格で、「ルイ・ヴィトン」の水色ボーダーもカッコイイ。
話題の「ヌメロヴェントゥーノ」もカラフルなのをつくってます。

この糸は弾力性と光沢感があるのが大きな特長。
光沢は、糸の表面がつるっとしていることから光を反射して生まれる現象のようです。

ややこしいついでに、
夏物の紳士スーツではモヘア糸混紡の素材がよく使われます。
ハリ感とシャリ感、光沢感を出せるからですが、同じ山羊の毛なのにふわふわの毛糸とはまるで別物のよう。
糸にしたとき、編んだとき、織ったときの製造や仕上げ方法の違いだとは思いますが、すみません、私にはそこまでの知識がなく m(_ _)m

All Photos © Kazushi Takahashi

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絵でも写真でも、服やアクセでも、刺繍や生地プリントなどでも。
アイディア出し合って何かつくって、ここに載せるのもアリですね。
参考記事
男性のための女性ファッション用語講座 Part2:サンダル編(オリジナルイラスト)
新人クリエイター作品 Part1:ファッションデザイナー上野貴大

学生さんでもぜんぜんOK。
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