冬の素材 ダブルフェイス、ニードルパンチ:用語解説
Kazushi Takahashi

Kazushi Takahashi / Fashion Writer
高橋 一史/ファッションライター

明治大学&文化服装学院卒業。編集者がスタイリングも手がける文化出版局に入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。担当ジャンルは、ファッション&音楽。退社後はフリーランスとして、原稿書き・雑誌編集・コピーライティング・広告ディレクション・スタイリングなどを行う。
kazushi.kazushi.info@gmail.com

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冬の素材 ダブルフェイス、ニードルパンチ:用語解説

“最近耳にするけど、なんだかよー分からんファッション用語” 解説第二弾です。
Pen onlineのblogスタートの初回がこの用語解説ネタでした。
第一弾の「ネオプレン」はこちら
(2014.9.12追記)
第3弾 毛羽立ち素材 ブークレ、カセンティーノ、モヘア

クリスマス商戦が終わるとどの店も年明けのセールムードに突入していきますが、寒さは全国的にこれからが本番ですね。
冬を乗り切る買い足しアイテムは、素材をポイントにして選んではいかが?とゆーことでおすすめしたいのが「ダブルフェイス」。

★ダブルフェイス
冬の素材 ダブルフェイス、ニードルパンチ:用語解説
冬の素材 ダブルフェイス、ニードルパンチ:用語解説
昨年、東京「エディション 丸の内店」で購入した「ANSNAM(アンスナム)」のモードなCPOシャツ・ジャケット。
ベースデザインは軍モノのChief Petty Officer(アメリカ海軍下士官)シャツで、シャツのディテールを持つアウターです。
「ダブルフェイス」とは、二枚の布の裏面を貼り合わせ、両面を表にした生地のこと。
縫い合わせや二重織りなどで作られた生地ですが、大きな魅力は二つあると思います。

1.風を通さず暖かい
2 毛布を着ているような心地よさ

布を貼り合わせるという特性上から、ダブルフェイスにはウールなどのメルトン生地(ピーコートやスタジャンの身頃などに使われる生地)が用いられることが多いです。
メルトンは繊維が緻密に絡まっているので内部に空気を含み、しかも外気を内側に侵入させないため布一枚でも保温性が高いですが、それがさらに二重なので暖かさ倍増!
さらに、ANSNAMのジャケットでは貼り合わせの内部に芯材が入っているため、 風よけ効果がより高いようです。↓
冬の素材 ダブルフェイス、ニードルパンチ:用語解説
「2」の理由ですが、これは着るときの感覚的な心地よさの話です。
柔らかな生地でも貼り合わせることによってある程度のハリ感が出るため、一般のテーラードジャケットのような芯地を入れなくても形が整った服を仕立てられまます。
さらに、テーラードジャケットではキュプラなどの絹のような質感の裏地が用いられます。
インナーの滑りをよくして運動量を上げるための工夫ですが、表地とまったく異なるテロテロの素材のため、見た目でも触った感触でも、一着の中にさまざまなテンションが混在する服になっています。
対して、一つの素材に絞り込んで作られているダブルフェイスの服には、脱いで手に持っているときでもしっくりと肌に馴染む独特の味わいが感じられるのです。
羽織った時に軽く感じるのもメリットですから、ぜひこの生地の服を探して袖を通してみてくださいませ。
イタリアブランドのコートなら見つけやすいかもしれません。


★ニードルパンチ
冬の素材 ダブルフェイス、ニードルパンチ:用語解説
冬の素材 ダブルフェイス、ニードルパンチ:用語解説
フランスのバッグブランド「Jacque le Corre(ジャックルコー)」の定番型「リスボン」。
リスボンには膨大なバリエーションがありますが、「ニードルパンチ」手法で作られた革素材を用いたバッグはこれだけです。
私はニードルパンチの革を見たのもこれが初めて。
とても珍しいバッグといえますが、ほかのブランドの革小物でも、ニードルパンチが使われているのを知っているという人は、ぜひ教えてください m(_ _)m

さて「ニードルパンチ」とは、名の通り針で突っついて作られる素材のこと。
機械に取り付けられた針でフェルトを突いて圧縮して絨毯にしたり、二枚の異素材を一枚にくっつけ合わせたり、手芸では毛糸を針で布に押し込んで模様を作ります。
服では、プリントや刺繍を用いずに表地に模様を描くためにこの手法が使われることがあります。
この場合は、かなりトリッキーな製造工程になりまして、メインの生地の裏に別素材(別模様)の生地を貼り合わせ、表からカギ針を突き刺し、裏の生地の素材を表に引張り上げて模様にします。↓
冬の素材 ダブルフェイス、ニードルパンチ:用語解説
このバッグでは裏にチェック柄生地を貼り合わせて、革の表からダイヤ状に針を差すことで表に毛羽立ったグラデーション模様を浮き上がらせています。

ニードルパンチはデザイナーズブランドの服やニットでは時折見かける手法なのですが、革でもできることをこのバッグで知りました。

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(2014.07.21追記)
エルメスの2014-15年秋冬メンズコレクションで、超絶技巧のウール×レザーのニードルパンチ・ジャケットが登場!
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今回の用語解説はいかがでしたか、説明がヘタすぎます? ^^;
またいろいろと解説していきますので、懲りずにどうぞお付き合いください m(_ _)m


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参考記事
男性のための女性ファッション用語講座 Part2:サンダル編(オリジナルイラスト)
新人クリエイター作品 Part1:ファッションデザイナー上野貴大

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