追悼が破壊行為に…“猫事件”で怒りの住民集結も、取り囲み騒動に

  • 文:Rikako Takahashi
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photo:shutterstock/Andri wahyudi※写真はイメージです

米カリフォルニア州オレンジ郡サンタアナにある住宅を、怒れる動物愛護家や近隣住民たちが取り囲んだ。同地域で何匹もの猫を殺した容疑のある男の家の前で、猫たちへの追悼イベントが行われる予定だったのだが……事態が暴力的になったうえ、その家が実は別の人物の住宅だったと判明した。

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地域を震撼させた「猫の連続死」

4月中旬、アレハンドロ・オリベロス・アコスタ被告(45)は動物虐待などの容疑で逮捕・起訴された。NBCニュースによると、アコスタ被告は少なくとも猫12匹をエサでおびき寄せ、踏みつけるなどの暴行を加えて殺したとみられている。アコスタ被告が注射器で物質を猫に注入したり、別の猫を木に吊るしたりするのを目撃した住民もいる。

アコスタ被告は、逮捕の翌週に保釈された。

この事件に、近隣住民や愛猫家たちは胸を痛めた。抗議を兼ねた追悼集会を呼びかける声がSNSで広がり、4月27日、人々はアコスタ被告が暮らす彼の兄の家の周り集まった――つもりだったのだが、彼の兄ではなく「義兄の親戚の家」だった。サンタアナ警察によると、アコスタ被告は保釈金を支払い身柄が自由になっていたが、同地域にはいなかったという。

同郡で野良猫の保護活動を行う非営利団体OC Community Catsも集会について投稿したが、主催者ではないという。誰が、またはどの団体が集会を扇動したかは明らかになっていない。

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追悼が破壊行為に。参加者「こうなる必要は…」

集会は平和的に行われるはずだったが、過激な行動に出る参加者たちが現れた。報道映像を見ると、家の柵を破壊したり、ゲートを無理やり開けようとしたりしている人々が映っている。

警察は「追悼の最中、数人の行動が手に負えなくなり、彼らが所有物を破壊したり物を投げたりする事態になった」と説明した。住人の男性に催涙スプレーをかける者もいた。

ほかの参加者は動揺したようだ。「こうなる必要はなかった。抗議運動になるとは分かっていたけど、暴力的な事態に発展するとは思っていなかった」とFOXニュースの取材に答えた。

集会に参加しなかったほかの近隣住民たちは、アコスタ被告と自分の家が混同されたら……と、不安を口にしている。

一部の暴徒化から約1時間後、警察は集会を解散させた。次のように声明を発表している。

「この事件が強い感情を生んでいることは、認識しています。司法手続きが正しく進むよう、みなさまにお願い申し上げます」

「サンタアナ警察は平和的な集会を実施するコミュニティの権利を支持しますが、いかなる暴力行為、破壊行為、公共の安全を脅かす行為も容認しません。生命や財産に対する損害には結果が伴い、犯罪行為に関与した者は責任を問われます。みなさまの協力と忍耐に感謝します」

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