日本初上陸の通信技術で、 贅沢な“サラウンド体験”を

  • 文:麻倉怜士

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SOUND SPHERE/サウンド・スフィア
〈スピーカー〉

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WiSA対応送信機、フロント/リアスピーカー、センタースピーカー、サブウーファーで構成されている「サウンド・スフィア5.1ch」¥128,000(実勢価格)

オンキヨーのワイヤレスサラウンドシステム「サウンド・スフィア」が、いま大ヒット。この春に行われた先行発売では即日完売だった。ヒットの理由はシンプル。よい音で、臨場感豊かな5.1チャンネルサウンドが気軽に楽しめるからだ。家でテレビを観る機会が増えているが、テレビ内蔵のスピーカーはあまりに貧弱。でもAVアンプは配線や操作が面倒で、6本のスピーカーの配線も大変……。

テレビの音を大迫力で聴きたいという熱いニーズがブレイクにつながったのが、サウンド・スフィアだ。アンケートを見ると、購入者の約半数が「ワイヤレスで配線の手間が少ないから」と答えた。電源ケーブルは必要だから、完全ワイヤレスではないが、でもアンプから長い距離のケーブルが無用なのがメリットだ。テレビからHDMIケーブルで発信機に音声信号を入力、そこから5本+サブウーファーに電波を飛ばし、スピーカー内蔵のアンプがユニットを鳴らす。

WiSA(ワイサ)という最新のワイヤレス音声伝送技術を採用したことが、高音質の秘密だ。ブルートゥース、WiFiより遙かに情報量が多く、接続性が強固。非圧縮のハイレゾ音声が8チャンネルも伝送できる。コンパクトサイズのシステムなのに、リッチな臨場感、迫力と躍動が聴けるのは、その恩恵といえる。テレビの音対策としてはサウンドバーもあるが、発音位置が一カ所なので、サラウンドの表現には限界がある。サウンド・スフィアでは各チャンネルのスピーカーがまさに所定の位置に置かれて発音するから、空間で5.1チャンネルの醍醐味が味わえるのだ。

WiSAという飛び道具を活用し、ホームシアターへの参入障壁を劇的に下げたサウンド・スフィア。まさに今様のヒット商品だ。

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専用コントロールアプリを使って、セットアップやイコライザ、オーディオモードの切り替えなど、音響の調整が簡単にできる。ケーブルも最小限のため、配置がしやすい。

麻倉怜士

デジタルメディア評論家。デジタルシーン全般の動向を常に見据える。近著に『高音質保証! 麻倉式PCオーディオ』(アスキー新書)、『パナソニックの3D大戦略』(日経BP社)がある。

●オンキヨーホームエンターテイメント https://onkyo.com/audiovisual