京都発のクラフトビールがおもしろい!

アメリカで一大ブームを起こしたクラフトビール。小規模な醸造所で職人が丹精込めて造る個性的なビールは、日本でも人気に火がつき、全国各地に醸造所ができています。京都も例外ではありません。ものづくりの歴史と伝統の町ながら、新しい文化を受け入れる懐の深さをあわせもつ古都で、いま注目されている「京都醸造株式会社」。この春、誕生したばかりのブルワリーは国籍もさまざまな3人の外国人が立ち上げました。彼らが生みだす独創的なビールとは?

ビールタンクが並ぶ発酵室。試飲スペースが利用できる週末には工場見学も可能。

左からクリス、ベン、ポール。アメリカ、ウェールズ、カナダと国籍もさまざまな3人。

京都醸造 Kyoto jyozo

京都駅から南西に車で10分、弘法さんと親しまれている東寺にもほど近い場所にあるのが、アメリカ、カナダ、ウェールズと国籍もさまざまな3人が設立した「京都醸造株式会社」です。「京都は、京料理など食は一流なのに、それに合わせるビールがもの足りない」とヘッドブルワーのクリス・ヘインジさん。理想のビールを追求する彼らが造りだすのは、甘くフルーティなベルギー産酵母とパワフルな苦みを出すアメリカ産ホップを掛け合わせるという従来にない発想で、唯一無二な味わいのビール。「一期一会」や「一意専心」などビールらしからぬネーミングも秀逸です。定番の2種類以外は、季節のビールや縁のあったほかのブルワリーとのコラボなど一度限りで数量限定のものばかり。現在は京都のビール専門店やイベントでの販売が主ですが、今後は東京でも樽を常設で置く店ができ、個人向けに瓶ビールでの販売も予定されています。来年からはウイスキーなどの木樽で長期熟成するビールにもチャレンジするそう。伝統的な醸造方法を守りながらも、原料や質にこだわり新しいことにも果敢に挑戦する。まさに伝統と革新のものづくりの街・京都にふさわしい、京都醸造ビール。一度飲めば、新感覚なビールに惚れ込むこと請け合いです。

10月には工場内に試飲スペースがオープン。京都醸造の頭文字がデザインされた格子が印象的。北海道から沖縄まで全国から愛好家が訪れています。

試飲スペースでは、定番や数量限定の季節のビールなど6種類の樽生ビールを用意。

もとは材木工場や印刷工場だった築40年の建物を、友人たちとリノベーション。

京都醸造

京都府京都市南区西九条高畠町25-1
営:13時~18時 土、日のみ。(営業日はHPで確認ください。)
☎075-574-7820 http://kyotobrewing.com

 ほかにも注目の京都発!クラフトビール

豊富で良質な地下水脈に恵まれ、日本有数の酒どころである京都。日本酒造りで培った醸造技術をもつ蔵元2軒のクラフトビールを紹介します。

黄桜酒造 Kyoto jyozo

河童のCMで有名な酒造メーカーが手がけた、1995年に誕生した京都初の地ビール。上面発酵製法で名水「伏水」を使った口当たりのやわらかさが特徴です。

  • 京都麦酒
    山田錦

    最高クラスの酒の仕込みに使われる「山田錦」を使用した、クリーミーな泡とやわらかな口当たりで喉越しすっきり。

  • 京都麦酒
    アルト

    ドイツ北西部の州都デュッセルドルフで造られているスタイル。濃い琥珀色でポップの苦みととろりとした甘さが特徴。

  • 京都麦酒
    ケルシュ

    ドイツ西部のケルン地方で伝統的に醸造されているスタイル。淡い黄金色で華やかな香りのさっぱりとした飲み口のビール。

  • 京都麦酒
    蔵のかほり

    清酒酵母を使用することで、清酒風味がほのかに香る、淡い山吹色をしたまろやかな味わいのビールに。各¥410(330ml)

http://kizakura.co.jp/ja
キンシ正宗 Kinshi masamune

江戸時代から創業230年余りの蔵元。1997年より創業地の歴史ある酒蔵で、名水「桃の井」を使い、京料理を引立てるビールを造っています。

  • 京都町家麦酒
    かるおす

    京都弁の「かるおす」の通り、上面発酵で華やかな香りで軽い飲み口のケルシュタイプ。魚料理や豆腐にあわせて。

  • 京都花街麦酒
    まったり

    香ばしいカラメルと麦芽をふんだんに使った、アルトタイプのとろりとした甘さとほろ苦さは肉料理や漬物との相性も抜群です。

  • 京都平安麦酒
    くろおす

    ロースト麦芽の苦みが香ばしいドライスタウト。バニラアイスにビールをかけて食す変わり種のアフォガードもお薦めです。

  • 京都はんなりIPA

    通常の1.5倍のホップを使ってフルーティなホップ香と苦みは抑えたやわらかな口当たり。各¥540
    (330ml)

http://kinshimasamune.com/