Pen編集者16名が初公開!我が愛読誌、教えます。

食の専門誌から発見する、「あの店」に行く理由。

料理通信

山田 泰巨

スイーツ男子、もといスイーツおじさんはみな、どこで情報収集しているのでしょうか? 食べログ? 口コミ? スイーツが好きな男性が増えているとはいえ、男性ひとりで店を探訪するのはハードルが高いもの。女性たちのように情報共有もできず、なかなか孤独な闘いではないでしょうか。「エル・ア・ターブル」はもちろん、「Hanako」や「OZマガジン」を手に取るのは恥ずかしい(僕は平気ですが)……そんな男性に自信をもって薦めたいのが「料理通信」です。

だいたい年に2度はスイーツの特集を組む同誌は本来、プロユースの専門誌。今月号は定番の『「小さくて強い店」は、どう作る?』特集で、亀戸のイタリア料理店「メゼババ」の写真に始まり、開業資金やインテリアのこだわり、メニュー開発などを紹介しつつ、小さな人気店の秘訣を探っています。専門性の高い記事とはいえ、「そんなの関係ない」とはいわせない読み応えある内容は、一般読者の心をもつかみます。

さて、話をスイーツに戻しましょう。同誌の特集には、注目の若手や著名なパティシエがたびたび登場します。レシピとともに店が紹介され、パティシエのみなさんが自らのテクニックとともに、食への思いや時に哲学をも語ります。ただおいしいものが食べたいだけじゃない、アートや建築を見に行くように食を知るため店へ行く……と口実をつけてスイーツの店を巡る。まさに独断と偏見ですが、そんな最高の手引きが同誌なのです。衣食足りて礼節を知るということわざがありますが、住宅やファッションのページを担当することの多い僕にはまだ食(スイーツ)が足りないようです。礼儀知らずの僕に礼節をたたきこむため、Penでも再びスイーツ特集(連載も可)しませんか?
料理通信

今号の特集記事より、東京の注目エリアを分析した記事。弊社もある目黒界隈、アヒルストアをはじめ激戦区となった神山町、そしていよいよ店が増え始めた東京の東側。地元の人々に愛される、暮らしに馴染んだ店が増えている昨今の傾向を紹介しています。(表紙・誌面写真:青野豊)

料理通信
料理通信社
毎月6日発売
¥1,008
2006年創刊
編集長:君島 佐和子