AUDEMARS PIGUET オーデマ ピゲ、複雑時計の美学。

ROYAL OAK PERPETUAL CALENDAR

ロイヤル オーク
パーペチュアルカレンダー

140年もの歴史と伝統を、スタイリッシュに集約。

ムーブメントからデザイン、サイズともにリフレッシュされた2015年発表の最新モデル。これまでのキャリバー2120をベースにした新開発の自動巻き「キャリバー5134」(厚さ4.31㎜)を搭載。ケース径を41㎜にサイズアップしたことからムーブメントも拡大。サブダイヤルは12時位置から時計回りで月と閏年、日付、アストロノミカルムーン(ムーンフェイズ)、曜日。ダイヤル外周にはポインター式週表示。18Kピンクゴールド、自動巻き、ケース径41㎜、18Kピンゴールドブレスレット、APフォールディングバックル。¥10,260,000

悠久の時と暦を刻む、
ロマンティックな複雑時計。

東から昇って西に沈む太陽の動きは時間の経過を、夜空に輝く月と星や星座から暦=カレンダーが始まった。こうした天体の動きをさまざまな方法で写し取ってきたのが時計の歴史であり、パーペチュアルカレンダー(永久カレンダー)はその究極といえる。 一般的なカレンダー機構は大小の月を区別できないため、4年に一度の閏年の2月も含めて、基礎となる日付を手で進めなければならない月末がある(小の月)。ところがパーペチュアルカレンダーは、これらが予めプログラムされているため、一切の調整不要で正確な暦を表示してくれるのだ。これが「永久」カレンダーと呼ばれる理由であり、オーデマ ピゲではブランドの創立以来取り組んできた。 いわば同社の原点ともいえる複雑機構だが、それがクォーツ時計の隆盛で苦境に陥った機械式時計を救う大きな原動力になったのである。

1969年末に発表されたクォーツ時計は瞬く間に世界を席巻。機械式をはるかに上回る精度を実現したことで、スイスの時計メーカーは倒産や廃業が相次ぎ、74年〜84年の間に従業員の3分の2を失ったとされる。この危機的な状況に果敢に立ち向かったのが、オーデマ ピゲの3人の時計師だ。 彼らが苦労を重ねて78年に完成したのは、厚さ3・95㎜の世界最薄自動巻きパーペチュアルカレンダーを搭載した腕時計だった。 当時はこうした複雑機構を製作できるブランドは希有であり、先行きを危ぶむ人もいたようだが、機械式時計特有のクラシカルなダイヤルデザインなども得難い魅力になったせいか、その後15年間で約7300本を製作するという大成功を収めた。これがオーデマピゲの経営を支えるだけでなく、同社の複雑時計をさらに発展させていく礎になったのである。

72年に発表された世界初のスティール製ラグジュアリー・スポーツモデル「ロイヤル オーク」も機械式時計の復活に寄与したといわれるが、これら2つのレガシーを2015年に登場させたのが「ロイヤル オーク・パーペチュアルカレンダー」だ。
シャープなイメージの薄型モデルで、41㎜のケース径を絶妙に活かして、サブダイヤルの視認性が大幅に向上。特長的な「グランドタペストリー」(織り模様)のダイヤルベースと、ヘアラインとポリッシュ仕上げのピンクゴールドケースのコンビネーションによって、知的で上質な高級感が漂う。
さらにダイヤル外周にはポインター式の週表示を追加している。この表示はヨーロッパや米国でよく使われることから、国際派ビジネスマンには便利な機構といえるだろう。
リアルな月の表情を描いたムーンフェイズ(月齢表示)も含めて、パーペチュアルカレンダーは悠久の時と暦を正確に刻み続ける。
人間は時間を支配することはできないが、この時計を通して遥かなる未来を想うことはできる。その意味で大変にロマンティックな複雑時計といえるのではないだろうか。

アベンチュリン(砂金石)の夜空をベースに実際の月面をレザー加工した月を備えたムーンフェイズ。月の満ち欠けを表示する。125年と317日に、一度だけ修正が必要という高精度。

374個の部品が華麗に織りなす、
超精緻なる小宇宙。

新開発の自動巻きパーペチュアルカレンダー「キャリバー5134」の分解図。厚さ4.31㎜、直径29.00㎜の中に374個にもおよぶ部品が組み込まれている。

ケースサイズが何度か変更されたが、
この新作では直径41㎜となりムーブメント径も拡大。
各サブダイヤルの表示バランスが理想的なものとなった。

各部に装飾彫りが施された、精緻なムーブメントが見られる。ケース&ブレスレットともにピンクゴールド。ローターの形状はカスタマイズ可能である。ケース厚は9.5㎜。
英国王立海軍艦船の船窓からインスパイアされた独特のビス留めは防水機能を保つため、八角形のベゼルからサファイアクリスタルのシースルーバックにまで貫いている。