「ライカ」などのハイエンドカメラ、
いったい何がすごいんですか?

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    VOL
    04
    写真・遠藤 宏 文・遠藤 匠
    ライフスタイル提案型の家電店として、研ぎ澄まされたセレクトや企画性に注目が集まる二子玉川 蔦屋家電。そこでプロダクトとユーザーをつなぐ役割を担うのが、個々の製品ジャンルに精通したコンシェルジュたち。そんな彼らに疑問を投げかけ、心を満たすプロダクトを導き出すのがこの企画。高級カメラのライカやハッセルブラッドはどこがすごいのか? 専門コンシェルジュが答えます!

    「ライカ」などのハイエンドカメラ、
    いったい何がすごいんですか?

    写真担当:宮澤 寛道さん

    写真学校で基礎を学んだ後、建築カメラマンとして撮影に従事した経験をもつ。豊富な撮影経験から、理想の撮影スタイルを叶えられるカメラ選びのアドバイスをしてくれる。カメラ自体の機能をわかりやすく解説してくれたり、プリントの楽しみ方の提案まで対応する。

    「そうですよね。疑問を抱くのは、当然だと思います。最近はデジカメの高機能化が進んで、それほど高額ではないカメラでも美しい写真を楽しめるようになってきました。それなのに、なぜライカのような高額なハイエンドカメラがもてはやされるのか不思議ですよね」

    量産品とは違う、ハンドメイド品

    「ライカを例にとってご説明しましょう。まず、ライカの場合、モノづくりの観点からしてほかのカメラメーカーと違います。一般的なカメラは高性能を追求する一方で、実用性にも配慮し、大量生産を前提につくられている。ですので、結果としてコストダウンも図られているというわけです。これに対してライカは、実用性よりも画質を追求し続けてきた歴史的な背景があり、レンズひとつとっても手作業の比重が多く、製造本数自体がきわめて少ない。これが高額にならざるを得ない大きな理由といえるでしょう」

    「ただ、その分、画質や描写力に対するこだわりは、他社とは比べものになりません。当店でライカを購入するお客様には、かつてフィルム時代にライカを使っていて、その時に使っていたレンズをデジタルで使いたいという方も多いのですが、その一方で、20代の若いお客様でも最初から画質を追求したいという思いから購入する方も非常に多い。そうしたことからも、ライカの画質に対する高い評価を見て取れるのではないでしょうか」

    「では次に、そんなライカの性能を楽しむためには、どんな機種を選べばいいのかをご紹介しましょう。ライカらしさを体現する王道の機種いうと、やはりMシリーズでしょう。中でもオススメなのは、シリーズ最新モデルのM-P。この機種は、Mシリーズの持ち味であるレンジファインダーカメラとしての使用感や描写力はそのままに、フルサイズCMOSセンサーの搭載や撮影中のデータを一時保存するバッファメモリーの増量などのアップデートで、プロ仕様の一眼レフデジカメに匹敵する性能を加味した最新モデルです。外装の佇まいに加え、ピント合わせを行うレンジファインダーの構造が、1954年に登場した初代M型のスタイルを受け継いでいるので、ライカならではの使用感を楽しむにはまさにうってつけの機種といえます」

    「そして、もうひとつの選択肢として、Tシリーズもお薦めです。アルミ削りだしのボディも男心をくすぐりますが、レンズ交換ができて、3.7インチのタッチパネルディスプレイは非常に高精細。直感的な操作でスムーズに使えます。

    また、マウントアダプターを使えば、Mシリーズのレンズを使っての撮影も可能なので、同社らしい描写力の高さを手軽に楽しむにはぴったりの機種といえます。美しい写真を撮影したいという思いに駆られたら、まずはこのどちらかを手にとってみてはいかがでしょうか」

    ライカのフラグシップともいうべき、憧れのライカM-P(TYP240)¥998,000(税別、2016年3月8日現在)。ルポタ-ジュにぴったりなレンズ、ズミクロンM f2/35mm ASPH.¥380,000(税別、2016年3月8日現在)も新発売される。ほぼ手づくりで仕上げられる昔ながらのライカであり、ライカらしさを堪能するには一番のモデルだ。

    2400万画素のCMOSセンサーを搭載し、最大で12枚/秒の連写もできる『ライカT(タイプ701)』。写真のように、高精細な外付けの電子ビューファインダー(別売)を取り付けることも。無線LAN機能を搭載し、撮影した写真や動画をワイヤレスでPCに転送可能。スマホに転送すればSNSへの投稿も簡単。¥220,000(税別、2016年3月8日現在) ※レンズ、ビューファインダー付きのスターターキットは¥415,000(税別、2016年3月8日現在)

    ライカと並ぶハイエンドカメラの雄、ハッセルブラッドもラインアップ。これは、ハッセルブラッド社が、世界中の中古市場から状態のいいCFV501Cを買い集め、それらを自社で磨き上げてからCFV50c(デジタルパック)として組み上げた『CFV-50c RETROKIT』というモデル。かつてはフィルムパックだったものが、デジタル撮影に対応した。日本には5台限定入荷し、現在残り1台となっている。¥1,680,000(税別、2016年3月8日現在)

    コンシェルジュからの一言

    写真担当:宮澤 寛道さん

    「写真の楽しさに目覚めると、それを管理したりレタッチをするためのPCの存在も重要になってきますよね。次回はネットワーキングコンシェルジュが、気になるマイクロソフトの「サーフェス」の魅力を紹介します」

    ●二子玉川 蔦屋家電 TEL:03-5491-8550 http://real.tsite.jp/futakotamagawa/