インダストリアルなカゴで、収納をざっくり楽しむ。

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    写真:永井泰史 文:小川 彩

    #11インダストリアルなカゴで、収納をざっくり楽しむ。

    白いキャンバス地、グレーのリム、ステンシルでプリントされたSTEELEのロゴがトレードマークの「スティール キャンバス バスケット」。キャスター付きの定番と別注品が揃います。

    前回に続き、今回も収納で活躍するアイテムを紹介します。家具に収めきれない細々としたモノがあるとき、とりあえず入れておける気軽な収納小物として便利な存在がカゴです。ここでは藤や竹などの自然素材で編んだ工芸的ものではなく、生産現場の作業に使われていたような、機能性や耐久性のある「インダストリアルバスケット」に注目しました。

    ハードな業務用テイストながら、親しみあるデザインのインポートものを定番として取り扱う「The Tastemakers & Co.(ザ テイストメイカーズ アンド コー。以下、テイストメイカーズ)」。そうしたアイテムのひとつに、「スティール キャンバス バスケット」があります。彼らが国内ではじめて紹介したオリジナルラインは、1920年代から米国で愛されてきた歴史あるプロダクト。このバスケットの定番「スモールトラックシリーズ」に加え、日本仕様の別注品をつくりました。

    数字は容量の単位、BU(ブッシェル)を表します。ちなみに1BUは35.24リットル。テイストメイカーズではスモールトラックを1.5、2、3のサイズを展開。1.5BU (W38×D48×H45cm)¥28,080~

    別注品は子どものおもちゃ箱やダストボックスとして、ルームシューズを入れておいても絵になります。ラウンドビン (W33.5×D33.5×H40cm)19,440

    スティール キャンバス バスケットは米国東海岸生まれ。石炭や繊維産業など製造現場で使われていましたが、耐久性とデザイン性が評判となり、現在ではホテルのリネン類を集めるランドリーバスケットといった業務用から家庭用の収納アイテムまで幅広いサイズを展開しています。テイストメイカーズではオリジナルラインから日本のインテリアで使いやすいサイズを選んでいます。

    「キャンバスを鋼の骨組みにしっかりと縫い付けてあるので、ちょっとやそっとでは型崩れしません。無骨なのにステンシルやミシンの仕上げがひとつひとつの表情になっていて、愛着がわきます」と話すのは、ショップスタッフの壹岐文寛さん。

    ラウンドビンは、「日本の家庭でより使いやすいサイズ」という要望を受け、テイストメイカーズが型から起こしてスティール社に製造してもらった別注品。スモール トラック シリーズはキャスターがついていて引き出しやすいので、ちょっと低めの棚下収納にぴったり。別注のラウンドビンはダストボックスやキッチンまわりの小物整理に活躍しそうです。

    フランス製の「リサイクルタイヤ」シリーズ。MとLの2サイズ展開のバスケット型ガーデンバケツ(右奥)のほか、小物も充実。ガーデンバケツM(φ39×H29cm)¥7,344~

    実はタイヤでミラーもつくっています。裏側にフックがあるので壁掛けもOK。S・M・Lの3サイズ展開。写真はLサイズ。フレームドミラー L(φ46×D6cm)¥15,120

    もうひとつのインダストリアルバスケットは、今年から取扱いをスタートした「リサイクルタイヤ」シリーズのガーデンバケツです。トラックや飛行機のタイヤを再利用してつくるフランス製のストレージアイテムで、厚手のラバーを麻紐のような糸で手縫いした大きめのステッチがユニークな味わい。工業的な素材使いなのにどこか肩の力の抜けたラフなデザインは、男女問わず人気だとか。特にソープボウル、ポット、タンブラーなどの小物類は水まわりの収納や整理するのに向いていて、同シリーズのミラーとともに揃えたくなるラインナップです。

    テイストメイカーズでは質の高いリサイクルやリメイクのプロダクトに共感し、積極的に紹介してきましたが、このリサイクルタイヤシリーズは壹岐さんがバイイングを担当した思い入れのあるアイテムだそう。ガーデンバケツの使い方のバリエーションを聞くと、次々と楽しいシーンを提案してくれました。

    アウトドアでもOK、タフなアイテムが揃います。

    底部のステッチから水が抜けてくれるから、鉢カバーにもぴったり。耐水性に優れたタフな素材だからこそ、アウトドアでもどんどん活用しましょう。

    米国オレゴン州ポートランドの「レッド ピッグ ガーデンツールズ」のオリジナルガーデンツール。すべて鍛冶職人によるハンドメイドアイテム。鋼製スコップ(小)¥8,424~

    厚手のラバーで耐久性抜群のガーデンバケツは、アウトドアシーンにおすすめだとか。

    「サーフィンを楽しむ方なら、濡れたウエットスーツを持ち運びするのに便利です。車のトランクに積めば、容量が大きいのでタオルやビーチサンダルなども収納できてすっきり。また野外でBBQを楽しむときも、ツール、食材、燃料をまとめて運ぶのに重宝します」

    モノをポンと入れられる広い口径と、汚れたらそのままホースで水をかけて洗える気軽さがうれしいです。もちろん日常づかいならランドリーバスケットや、ディスプレイで提案していたように鉢カバーとしての使い方もあり。これから初夏に向けてガーデニングを楽しみたいなら、ツールや長靴などをまとめて入れておくのにも便利です。新たに入荷したばかりという、ポートランドの鍛冶職人がつくった本格的なガーデニングツールをガーデンバケツに入れて、屋外やベランダでグリーンに親しむのもおすすめです。

    カリタのコーヒーグラインダーがバージョンアップ。モーター音はより静かに、静電気による粉の飛散も改良されました。(W12.3×D21.5×H40.1cm)¥59,400

    本誌でも紹介した「フレキシブル プアオーヴァー コーヒースタンド」。テーブルベースのカラーにブラックが加わりました。(ベースサイズ:W17.7×D13.6cm アームサイズ27cm)¥31,320

    「ファッションだけでなく、こだわりをもって道具を揃えたいというお客様が増えました」と壹岐さんが話すように、店内にはコーヒーを楽しむツール、アーティストが手がけたハンドメイドの器、そして木工職人がつくった無垢材のカッティングボードなど、ストーリーのあるアイテムが充実していました。

    ベーシックだけど日常生活を楽しくするホームアクセサリーやメンズのファッションアイテムを米国やヨーロッパ各国からインポートしているテイストメーカーズ。商品のバイイングとスタイリングはスタッフがほとんど手がけているからでしょうか。旅先で出会ったモノやお気に入りのモノなどを発見したときの、新鮮な空気に満ちていました。昨年10月にオープンしたばかりの恵比寿店はアクセスも良く、周辺散策の折にふらりと立ち寄ってみるのもおすすめです。さりげないスタイリングの中に、長く使える逸品との出会いがあるはずです。

    コンパクトなのに、ストレージからキッチンツール、ファッションアイテムまで幅広く揃う恵比寿店。ゴールデンウィークにアウトドアで過ごしたくなるアイテムと出会えるかも。

    The Tastemakers & Co. EBISU

    東京都渋谷区恵比寿南1-20-3
    TEL:03-6451-2666
    営業時間:12~19時
    定休日:月、火
    http://thetastemakersandco.com