東京車日記いっそこのままクルマれたい!

第42回 LAND ROVER DISCOVERY / ランドローバー ディスカバリー

ディスカバー・ザ・新境地!? 新型ランドローバー・ディスカバリーはまるで蜃気楼のように……

構成、文 青木雄介

編集者。長距離で大型トレーラーを運転していたハードコア・ドライバー。フットボールとHipHopとラリーが好きで、愛車は峠仕様の92年製シボレー・カマロ改。手に入れて6年、買い替え願望が片時も頭を離れたことはない。

ディスコはディスカバリーの愛称。ランドローバーらしい、手堅い印象の英国デザインにおいて、どこかしら新鮮な印象を与えてくれるのも英国ならでは。新型ディスカバリーではヘッドレスト形状に注目。さりげなくドレープ入ってます。

HipHop好きにとって、新しい音やスタイルはシーンの活性化を意味していて、だいたいが正義。クルマも新しい技術やコンセプトはそれに近くて、だいたいは歓迎すべき変化なのだけれども、どうにも過去の威光が現在の立ち位置を正確に認識させてくれないってことは往々にしてあって、新型ディスカバリーはまさにそれ! 新型は地元のルールにのっとったベテランのローカルヒーローが、いきなり世界仕様の音でメジャーデビューしちゃった感じ。その落差が大きすぎて、「これが新型ディスカバリーですよ」と言われても、「俺は夢みてるんだろうか」って感じなんだな。

今回、スクエアなイメージを一新した新型ディスカバリーなんだけど、ことの理由はそこにある。実際、四角いSUVは好きでも嫌いでもないけど、あの長らく続いた車型を極限まで現代仕様にしようとしてた先代ディスカバリーには畏敬の念さえ抱いていた訳。最終型にいたっては見た目がオフローダーでも、街での走りは完全に高級車のそれだった。その車型から解放された新型ディスカバリーは、おもいっきりフルサイズSUVの世界戦略車として、より広い層に向けてデビューしちゃったんだな。その再デビューにも似た仕様は、実際とても素晴らしい。ボディはオール・アルミモノコックで先代に較べて190キロも減量した。

さらにサイズは大きくなり、高さも高くなって、室内空間はフルサイズのラグジュアリーSUVの名にふさわしい余裕を兼ね備えた。内装にいたっては価格以上のクオリティなのは間違いなし。水平なラインで整然と見せながらも異なったウッド素材、異なったカラーリングの革素材を効果的に配している。そこにアルミ素材も加わって、精緻に組み合わせつつも神経質じゃないし、隠し収納ポケットもあってデザインを楽しんでいるおおらかさもある。極めつけはハンドルで、パッと見、普通のハンドルなんだけど握ると、細くて大径で繊細な握り心地だった往年のオフローダー用のウッドハンドルを思い出すんだ。

その辺がメジャーデビューで都会的にイメージチェンジした私だけど「本当の姿は変わってないよ」と言いたげで(笑)、思わずうなずきたくなるんだな。あははは。オフロードでは試乗していないんだけど、アスファルトを走ってるときに微妙に居心地悪そうにしてるところからしても本来的なオフローダー、ディスカバリーのあの味わいが戻ってる気もするね。これも時の流れは容赦ないけど、悪くないかもって感じかな。ま、次は同じ問題を抱えているGクラスの番ですよ。変えなきゃいけない車型をどう変えるか。ディスカバリーは颯爽と変えちゃったよね。

LAND ROVER DISCOVERY / ランドローバー ディスカバリー

●エンジン:3.0リッターV型6気筒スーパーチャージド
●出力:340PS
●トルク:450Nm
●トランスミッション:8速AT
●車両価格:¥7,790,000~

問い合わせ先/ランドローバーコール
 TEL:0120-18-5568 (9時~18時、土日祝日を除く)

http://www.landrover.co.jp/vehicles/discovery/index.html