あの「ベル&ロス」がアバンギャルドなコンセプトカーをデザイン! 時計好き&クルマ好きなら必ずハマる!?

  • 文:笠木恵司

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ベル&ロスがデザインしたコンセプトカー「AeroGT」。4.2ℓV8ツインターボエンジンをミッドシップにして、出力は610馬力。最高時速は315㎞/h。スペックもさることながら、カーボンファイバーのボディはまるでジェット戦闘機。(イメージのためのコンセプトカーであり、一般販売は予定していません)

空気の層を滑らかに切り分けていくような独特の流線型ボディに、水滴型のガラス張りルーフ。人気時計ブランドのベル&ロスが、まるでジェット戦闘機のようなコンセプトカー「AeroGT」をデザインしました。

ベル&ロスでは2014年にコンセプトバイク「B-Rocket」を発表しており、その延長としてクルマづくりに挑戦したのは不思議ではありません。もともと同ブランドは航空機にインスパイアされたモデルで世界的にブレイクしており、それがクルマのデザインに導入されたのも納得できます。

1992年、高校時代からの友人で時計好きの若い2人、ブルーノ・ベラミッシュとカルロス・A・ロシロがフランス・パリで設立したベル&ロスは、ミリタリースタイルで時計通好みの細部にこだわったモデル「ヴィンテージ」でスタート。2002 年にはスイスのラ・ショー・ド・フォンに工房を開設。そして2005年に誕生した同ブランド初の角型モデル「BR01シリーズ」が爆発的にヒットしました。このシリーズこそが、1970年代の航空機のコックピットで使用された計器をイメージしたスタイルだったのです。

以後の多彩なコレクションも航空機からさまざまなヒントを得ており、2015年はこの「BR01」の10周年となります。このようにベル&ロスと航空機は密接に結びついており、さらに時計好きはクルマ好きともいわれるので、これらが合体した超本格的なGTカーは、ベル&ロスの見果てぬ夢だったといえるかもしれません。

その夢を実現したAeroGTは、全長が4.7m、車高は1.1mと極めて低い2シーターで、重量バランスに優れたミッドシップエンジンのレイアウト。ステルス戦闘機のようにシャープなアングルで造形されたボディに、コックピット前方から左右に飛び出した細いミラーが羽根のように見えます。これは戦闘機の先端に配置される「先尾翼」からヒントを得たそうです。リアにはターボジェットの排気口のような2本の大型マフラーを装備。タービン風のタイヤホイールも超音速機のエンジンのファンを意識しており、至るところに最先端のジェット機のイメージが貫徹されています。

ただし、ボディは軽量化と高い強度を両立するモノコック構造で、素材はカーボンファイバー。このため重量は1320㎏。このボディに4.2ℓV型8気筒ツインターボエンジンを搭載しており、610馬力を叩き出します。最高速度は315㎞/h。アクセルの一踏みで3秒以内に100㎞/hに到達する加速性能を備えた、新時代のスーパーカーといえるでしょう。

流麗な後姿もどこかジェット機を彷彿させます。

真上から見ても流麗なデザイン。

AeroGTをイメージした、新作腕時計にも注目。

さらに、このAeroGTのイメージを表現した新作時計「BR03 AeroGT」も2タイプが発表されました。クロノグラフの「BR03-94 AeroGT」は、モダンでシャープなオープンワークが施されています。クロノグラフ系の表示針とスタートボタンの鮮やかなレッドが印象的なアクセント。ベーシックなセンター3針の「BR03-92 AeroGT」はテンプの鼓動から主ゼンマイの巻き具合まで視認できるスケルトンタイプ。やはり秒針の先と12時を示す三角がレッドに塗られています。これはスポーツカーのダッシュボードのカウンターを模しているそうです。

両モデルともに、ブラックレザーで覆われたストラップを組み合わせており、小さなパーフォレーション(穿孔)とミシンステッチのレッドが高級感を漂わせています。クルマに興味のない人にも魅力的な時計といえるのではないでしょうか。

BR03-92 AeroGT。センター3針モデル。ダイヤル側からテンプの鼓動が見えるスケルトン。自動巻き、ケースはステンレススチール、直径42㎜、100m防水。¥729,000(世界限定500本)

BR03-94 AeroGT。ダイヤル周縁にタキメーター付きのクロノグラフ。自動巻き、ケースはステンレススチール、直径42㎜、100m防水。¥1,188,000(世界限定500本)