＜帰ってもらう必要があるが、ヘビメタファンの老人2人組はもちろん帰りたくないーー＞

音楽好きな人にとって夏は特に素敵なシーズン。日本各地でも毎週のように音楽フェスが開催され、ファンたちを熱狂の渦に巻き込んでいるが、遠く離れたドイツにも音楽愛に突き動かされた2人の男性がいた。

容赦ない言葉の嵐、凶器のギターリフ、目がくらむメタル......世界最大級のヘビメタル・フェス「ヴァッケン・オープン・エアー」。世界約80カ国からヘビメタファンが終結するこのイベントは、1990年に始まって今年29回目の開催（8月2～4日）を数える歴史あるフェスだ。CBSによると、この祭典で、あるハプニングが起こった。

ドイツの国際公共放送ドイチェ・ヴェレ（DW）によると、8月3日に、会場から40キロメートル程の位置にあるシュレースヴィヒ・ホルシュタイン州の老人ホームから2人の男性が抜け出した。午前3時頃に2人を見つけた警官はその時の様子を「彼らは目が眩んでぼーっとしていた」と話す。保護した警察としては、入居する老人ホームのルールを破って脱走したわけだから、帰ってもらう必要があるが、老人2人組はもちろん帰りたくない。

一旦、会場にある医療用のテントに2人を連れて行き「なぜ帰らなければならないか」を丁寧に説明した。最終的に2人は説得に応じ、自らタクシーに乗り込み老人ホームへ送り返されたという。2人について詳細は明らかでないが、昔から熱心なヘビメタファンだったと報じられている。もちろん今も、だ。

そんな2人のハプニングを伝える報道を受けて、SNSは盛り上がりを見せた。「ロックするのに年齢は関係ない」など、老若男女問わず熱い思いが飛び交った。

#ICYMI - Two elderly men went missing. They were found rocking out at the world's biggest heavy metal festival https://t.co/nQxJjM7Wdq pic.twitter.com/YaSkS8r1tf

— National Post (@nationalpost) 2018年8月8日

（ヘビメタを愛する2人の老人のニュースを伝える投稿）

#translationtime

„Assisted wacken. No discrimination of seniors“

Of course not, we might add. Because you’re never too old too rock. #wacken #metalfamily #respect #buildingbridges https://t.co/szE7iQ7BWY

— Wacken Open Air (@Wacken) 2018年8月6日

（「シニア世代の差別ではない。もちろん違う。なぜならロックするのに年齢は関係ないからだ」ヴァッケン・オープン・エアの公式アカウントより）

Nursing home escapees found at heavy metal festival: police https://t.co/DFjApBTQv8 pic.twitter.com/E2bELlcw9X

— New York Post (@nypost) 2018年8月6日

（ロックンロールに歳は関係ない）

文：ニューズウィーク日本版ウェブ編集部