満を持して、白金台に浜松発のうなぎ専門店が誕生! この「パリッ、ふわっ」はタダものではありません。

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    うな重(花)¥3,564

    東京には日々たくさんの飲食店ができているけれど、最近目新しかったのが、うなぎ専門店のオープン情報。3月9日、白金台のプラチナ通りに新しいうなぎ専門店が誕生しました。

    「うなぎ 藤田」は、そもそも浜松で長年営まれているお店で、今回、四代目ご主人と女将が準備を重ね、満を持して東京・白金台に出店となりました。創業はなんと明治25年! 四代目の曾祖父にあたる金三郎さんが、浜名湖で獲れたウナギを長野県飯田市の割烹料亭に卸していたのが始まりだそう。なんと、浜名湖から長野までうなぎを担いでの行商とは。途中、天竜川で何度もきれいな水をかけて運んでいたというからすごい逸話です。

    さて、その後二代目の今朝吉さんが浜名湖に養鰻場を作り、三代目の重喜さんが昭和39年にうなぎ専門店を開店させたといいます。そのころ完成された蒲焼きのたれ、そして歴史を背負って「うなぎ 藤田」は白金台にやってきたのです。

    店内の中央にはカウンター席が。目の前で蒸されたり、焼いたりの作業が見れるところも食欲を刺激する。

    良質なうなぎの確保が難しくなりつつある現代。老舗だからこそのネットワークがものを言います。浜名湖のうなぎを中心に、使うのはすべて国産。清冽な井戸水を汲み上げて、一週間えさを与えずにうなぎを泳がせる「活かし込み」をすることで身が引き締まり、臭みが取れるそうです。

    貴重なうなぎは浜松でも白金台でも同様の“技”で焼き上げます。職人の技術で開き、蒸し上げ、備長炭でふっくらと、脂を落としながら焼くのです。タレは50余年継ぎ足しつづけた、うなぎの旨みがたっぷりと溶け込んだもの。生まれた時からうなぎとともに育った四代目、将徳さんのもと、職人が焼きあげるうなぎは、表面はパリッと焼け、中はふんわりとしたすっきりと品のいい味になります。

    店内には香ばしく上品な香りが漂う。

    左:四代目の藤田将徳さん 右:女将の清美さんは将徳さんのお姉さん。

    女将の清美さんは四代目のお姉さんにあたります。中学の頃からお店を手伝い、お客様と触れ合う大切さを知った清美さんは、大手航空会社でグランドスタッフを努めてホスピタリティを学び、一時は社員教育、人材育成の仕事にも携わっていました。つまり、コミュニケーションのプロ! 美しい着物姿の清美女将に、これからファンが集まりそうです。

    道路に面している側が開放的な窓に。光が差し込んで明るい印象に。

    店内はテーブル席のほか個室も用意。カウンターで、ガラス越しにうなぎを蒸したり焼いたりする光景を眺めながら、「ひとりうなぎ」もいいですね。煙もくもく、がんこ親父が営むうなぎ屋さんもいいけれど、いま我々に必要なのは、こんなうなぎ専門店ではないでしょうか。「うなぎでも食べに行こうか」とスマートに提案できるお店ができました。(北條芽以)

    席について一息。そんな時にでてくるお茶も静岡のもの。これが本当に美味しい!

    建物の3階に位置する。シックな外観。

    浜松「うなぎ 藤田」白金台店

    東京都港区白金台4-19-21
    営業:11時30分~14時、17時~21時L.O.
    TEL:03-6432-5636
    定休日:月曜

    http://www.unagifujita.com/