日本ワインで乾杯!We Love Japanese Wine!

#32|
鹿取みゆき・選&文
尾鷲陽介・写真
selection & text by Miyuki Katori
main photograph by Yosuke Owashi
「おいしい」のひと言が思わず口をつく! “水っぽい”イメージを覆す「キスヴィン」の甲州レゼルヴ。

甲州レゼルヴ

「おいしい」のひと言が思わず口をつく! “水っぽい”イメージを覆す「キスヴィン」の甲州レゼルヴ。

広がる厚みのある果実味、その果実味を支える骨太な酸。長く続く余韻の中でも、アピールしてくる柑橘のフレーバーと緊張感。口に含むと、思わず「おいしい!」のひと言が出てしまう。そんな甲州ワインがあります。このワイン「甲州レゼルヴ」をつくったのは山梨県塩山にあるワイナリー、キスヴィンの斎藤まゆさんです。

実はこの甲州ワイン。長年にわたって、多くの人に「薄い、水っぽい、苦い」と言われがちでした。カリフォルニアでワインづくりを学んだ斎藤さんも、彼の地で、甲州ブドウでつくられたワインを飲んだ時、確かにサラサラと飲みやすく感じてしまったといいます。そして、「いつか日本で飲みごたえのある甲州ワインをつくってみたい」と思ったそうです。

その後、フランスのワイナリーでのワインづくりの経験をへて帰国した斎藤さんは、山梨のワイナリーで働き始めました。従来の甲州ワインに対する先入観を覆したいという気概をもって、甲州ブドウのワインづくりに取り組んだのです。たとえば酵母や樽は、自分が思い描く甲州ワインに可能な限り最適なものを選び抜きました。さらに感性を研ぎ澄まし、色、味わいにバランス、果汁の香り、舌触りなど、あらゆることに気を配り、澱、酵素などを活かし、骨格や旨味をもちつつ、フレッシュな味わいを持つように発酵や熟成を進めました。苦みについては、その原因である果皮の色を栽培でコントロールをして、搾り方を調整することで抑えているそうです。

果たして出来上がった甲州ワインは、いままでの甲州ワインのイメージを払拭するような味わいでした。

これからも、「キスヴィンというワイナリーがあるから、塩山に行こう」と思ってもらえるような、地域を潤していけるようなワインをつくっていきたいという斎藤さん。「甲州レゼルヴ」は、そんな彼女の思いも込められています。


「おいしい」のひと言が思わず口をつく! “水っぽい”イメージを覆す「キスヴィン」の甲州レゼルヴ。
斎藤まゆさんは、日本でワインをつくることを視野に2005年に渡米。07年にキスヴィンワイナリーの荻原康弘さんと出会い、フランスの各地で修業を積み、13年から同ワイナリーの醸造責任者に就任。「修業中は、できるだけの知識と技術を手に入れてからではないと日本に帰れないと必死でした」と語る。

甲州レゼルヴ

ヴィンヤード名/キスヴィン
品種と産地/甲州(山梨県甲州市塩山)
容量/750ml
価格/2,700円(参考価格)
問い合わせ先/キスヴィン
http://www.kisvin.co.jp