第一次世界大戦時に軍用の防寒、防水コートとして生まれたトレンチコート。いまでこそカジュアルな大人のコートとしてポピュラーなアイテムですが、そのスタイリッシュなイメージを最初に決定づけたのが、「ボギー」こと俳優のハンフリー・ボガートでしょう。

『カサブランカ』を始めとするフィルムノワールによってハードボイルドスターとしての地位を確立したボガートは、映画の中でしばしばトレンチコート姿で登場し、このコートの人気に火を付けました。彼は映画の中だけでなくプライベートでもトレンチコートをよく着用していたのですが、それらは基本的にすべてアクアスキュータムのものでした。

今年でブランド創立165周年を迎えるアクアスキュータムは、これを記念して、ハンフリー・ボガート財団とのコラボモデル「THE BOGART TRENCH」を発表しました。このトレンチコートは、ボガートが愛用していた“KINGSWAY”のパターンをベースに、基本的なディテールを踏襲しつつ、シルエットがモダナイズされています。また素材も現在の英国で販売されている定番コートに使用されているものを使用し、機能的にもアップデートされています。ちなみに、現在の定番トレンチ“KINGSGATE”に対しては、着丈、チェストが各1cm短く、細くなっています。またボタンの間隔が異なるほか、ガンフラップが小さく丸みを帯びている点や襟裏がクラブチェクになっている点もポイントです。

この「THE BOGART TRENCH」コートは、8月下旬からベージュカラーが日本では165着の限定販売となります。またネイビーもあり、こちらはECサイトで　8月上旬から数量限定での販売が予定されています。「ハンフリー・ボガートが映画で着ていたあのトレンチがほしい」と思っていた方はもちろん、本物のトレンチを求めていた方にとっても、要チェックのアイテムといえるでしょう。（和田達彦）