名作のタネが芽吹く瞬間を目撃せよ! 「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM/FILM2017」グランプリ決定。

  • 写真:殿村誠士
  • 文:阿部博子

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左からCCCグループ代表の増田宗昭、特別賞の土橋章宏、準グランプリのウエダアツシ、グランプリの針生悠伺、準グランプリの片岡 翔、女優の原田美枝子。

今年で3回目を迎えた「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM(以下TCP)」。グランプリ、準グランプリを受賞すれば企画の映画化が実現するとあって、映像クリエイターの登龍門として年々注目が集まっているコンテストです。2015年度のTCP第1回グランプリ受賞作品『嘘を愛した女』は、長澤まさみと高橋一生が主演を務めて2018年1月に公開が控えています。

今年は、268企画もの応募が集まり、恵比寿ガーデンプレイス ザ・ガーデンホールにて、最終審査会に残った7名のファイナリストによる公開プレゼンテーションを実施。ゲスト審査員に女優の原田美枝子氏を迎え、日本映画界で活躍するプロデューサー4名とCCCの増田宗昭社長、TSUTAYAとカルチュア・エンタテインメントの中西一雄社長による審査で受賞作品が選出されました。

最終審査に残った7作品は、家族ドラマ、スポーツもの、逃走劇、ミステリーなど、実に多種多様なジャンルが集まりました。公開プレゼンテーションでは、自らの企画の予告編を制作して期待感を煽る人もいれば、最新のVRを用いて新しい映像体験を提案する人、小説や漫画などメディアミックス展開の可能性を語る人まで……。作品同様、個性豊かなプレゼンターによる白熱した提案が繰り広げられました。

審査の結果、2017年度のグランプリに選ばれたのは、実の息子と息子のクローンを同時に愛し、その間で揺れ動く父親の姿を描いた作品『2/1イチブンノニ(仮)』。映像ディレクターの針生悠伺(はりゅう ゆうじ)の企画で、副賞のIMAGICA賞とのダブル受賞となりました。準グランプリはウエダアツシの『モータープール(仮)』と片岡 翔の『ザ・ドールハウス・ファミリー(仮)』が獲得。さらに今回、急遽新設された審査員特別賞には、土橋章宏の『水上のフライト(仮)』が選ばれました。選出されたグランプリと準グランプリ、審査員特別賞は、作品完成のためのバックアップと各5,000万円以上の製作費準備が約束されるとあって、どの受賞者も喜びを爆発させていました。TCPで発掘された才能が、これから私たちにどんなエンターテインメント作品を見せてくれるのか。期待に胸が高鳴りますます!

グランプリとIMAGICA賞をダブル受賞した『2/1イチブンノニ(仮)』を企画した映像ディレクターの針生悠伺。「自分に子どもが生まれたことで、この映画は愛のあるテーマにしないといけないと思った。子どもが大きくなったらこの映画を見せたいと思います」と喜びのスピーチを披露しました。

ゲスト審査員の女優・原田美枝子は「スクリーンというのは根底に流れるもの、心も全部映し出す。それを自覚して撮ること。そのために自分の人生を生きて欲しい。きっと深く心に届く作品ができるはず。これからも頑張ってください」と7名のクリエイターにエールを送りました。