3年ぶりにリニューアルオープン! 東京都庭園美術館でアール・デコを見る。

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    外壁が塗り替えられ、リニューアルオープンした東京都庭園美術館。庭園は整備工事が継続中のため、2015年春以降順次公開予定。

    日本のアール・デコ建築として有名な東京都庭園美術館が、3年間の大規模改修工事を経て、11月22日、ついにリニューアルオープンしました。

    建物は、元は1933年(昭和8年)に建てられた皇族朝香宮の邸宅で、戦後の一時期は外相公邸や迎賓館に使用されてきました。その後、1983年から美術館として一般公開。建築から80年、美術館としての使用が始まってからも30年が経過した「庭園美術館」は、建設当時、日本の職人技を集結させ、フランスのアール・デコ様式を日本でいち早く取り入れたと評価されています。地上3階・地下1階のRC造で 宮内省内匠寮工務課が設計し、主要内装デザインをフランス人デザイナー、アンリ・ラパンが担当しました。

    今回のリニューアルでは建物保存のための設備改修の他、外壁の塗り替えや香水塔の修復、殿下居間の壁紙・カーテンの復原などが行われています。加えて、旧朝香宮邸に隣接する新館を改築し、新たにホワイトキューブの展示室が誕生、ショップとカフェもオープンしました。新館の構想には現代美術家の杉本博司氏がアドバイザーとして参加しています。

    このリニューアルを記念して、『アーキテクツ/1933/Shrokane アール・デコ建築をみる』展+『内藤礼 信の感情』展が12月25日(木)まで開かれています。『アーキテクツ~』では、1920~30年代にかけて世界中で流行したアール・デコ様式が日本で花開いた例として、東京都の有形文化財にも指定されている旧朝香宮邸の休館中に行った調査・修復活動を紹介するほか、朝香宮邸建築に携わった設計者・技術者たちに焦点をあてます。『内藤礼 信の感情』は、時間の積層や人の過ごした気配を感じる本館、そしてその先に現れる新館のホワイトキューブ空間に、内藤礼の新作が命と色を吹き込みます。

    名前の由来でもある庭園は、残念ながら整備工事のため2015年春以降の公開予定となっていますが、その素晴らしい建築と展示空間を確かめに行きませんか。(Pen編集部)

    新館には、新たにホワイトキューブの展示室が出来上がった。

    内藤 礼の作品『ひと』の旧朝香宮邸内インスタレーション。

    2015年1月17日(土)からはじまる『東京都庭園美術館開館30周年記念 幻想絶佳 :アール・デコと古典主義』で展示される、ウジェーヌ・ロベール・プゲオンの『蛇』(1930年頃)。この展覧会では、フランスの美術館コレクションを中心とした約80点の作品から、ジャック=エミール・リュールマン(家具デザイン)、ジャン・デュパ(絵画)、ロベール・プゲオン(絵画)ら、知られざるアール・デコの世界を紹介する。

    リニューアルオープン記念
    『アーキテクツ/1933/Shrokane 
    アール・デコ建築をみる』展+『内藤礼 信の感情』展

    11月22日(土)~12月25日(木)

    東京都庭園美術館
    東京都港区白金台5‐21‐9

    TEL:03-5777-8600 (ハローダイヤル)
    開館時間:10時~18時 (入館は閉館の30分前まで)
    休館日:毎月第2・第4水曜(祝日の場合は開館、翌日休館)
    展覧会準備期間、年末年始
    入場料:一般¥700
    www.teien-art-museum.ne.jp/special


    『東京都庭園美術館開館30周年記念
    幻想絶佳 :アール・デコと古典主義』

    2015年1月17日(土)~4月7日(火)

    東京都庭園美術館 本館+新館ギャラリー1
    東京都港区白金台5‐21‐9

    TEL:03-5777-8600 (ハローダイヤル)
    開館時間:10:時~18時(入館は17時30分まで)
    休:毎月第2・4水曜(1/28、2/12、2/25、3/11、3/25)
    (祝日の場合は開館、翌日休館)
    料金:一般¥1200