UKストリートカルチャー 写真展、「リターン・オブ・ザ・ルードボーイ展」が日本初上陸。

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    2014年にロンドンのサマーセットハウスで開催され、6万5000人以上の来場者を動員した『RETURN OF THE RUDEBOY(リターン・オブ・ザ・ルードボーイ)展』が、3月26日 (木)まで原宿のラフォーレミュージアムで開催されます。RUDEBOY(ルードボーイ)とはジャマイカのスラングで「不良少年」という意味。60年代はとてもクールな存在で、70年代の後半から80年代の初めにそのカルチャーが復活し、音楽ならスペシャルズやマッドネス に代表されるブリテッシュ・スカ、またパンクと融合した2トーンという新ジャンルの中へと溶け込んでいきました。そして60年を経た現在、再び新しい波となって、UK 全土に広まりつつあります。

    本展では、多くの音楽アルバムのカバーを飾るフォトグラファー 、ディーン・チョークリー氏と、世界中で活躍しているスタイリスト、ハリス・エリオット氏が、この展覧会のために撮り下ろした写真が展示されています。エリオット氏は、先日行われた東京コレクション「TAKEO KIKUCHI 30th ANNIVERSARY」のショーでもスタイリングを手がけました。長年にわたってコラボレーション活動を行っていた二人は、ともにルードボーイの復活に目を向けていたことから、このプロジェクトをスタートしたそうです。今回は、ハリスさんにお話を伺いました。

    まず、ルードボーイというカルチャーに、なぜ興味を持ったのでしょうか?
    「もともと、自分のルーツがジャマイカだということもありますが、ロンドンオリンピックで某シューズメーカーがルードボーイを取り入れた展示をしており、それを見て、改めて興味を持ちました。

    また、僕はスタイリストという仕事柄、昔のカルチャーや音楽、スタイルは常に参考にしているし、そこからインスピレーションを得ることも多いんです。ルードボーイという「センス オブ スタイル」を改めて目の当たりにして、すごく共感したんですね。

    最初ロンドンで展覧会をやって、次にNYや南アフリカかなとも考えましたが、僕は日本に何度も来ているし、日本人は新しい事象やカルチャーには敏感なので、ルードボーイも理解してくれると思ったんです。また、日本人のアーティストもとても尊敬しており、自分のキャリアは建築家からスタートしているので、建築家なら安藤忠雄、丹下健三。デザイナーなら菊池武夫、ミハラヤスヒロをとても尊敬しています」。

    展示の中でバーバーショップが展開されているのが、何とも印象的でクール。それはいったいどういう意味があるのでしょうか?

    「バーバーショップはこのブロジェクトの中で、とても重要な部分です。というのも、ルードボーイの時代、バーバーショップはある種のコミュニティーセンターだったんです。世代を関係なくして若い男の子が大人から面白い話や政治の話を聞いたり、いろいろな人がいろいろな世代から話を聞ける場所でした。今回は、それが実現できてよかったです。まあ、くだらない話もしていたと思いますが、とても面白いですね。最近では、ロンドンでもデパートのポップアップショップで、バーバーショップのセットを作ったりといった流れがあります。

    今回の展覧会は、タイトルどおりだと昔の写真や、いままで皆さんが見たことがあるような写真だけが飾られているように想像すると思いますが、99パーセントが今回のプロジェクトのために撮り下ろした写真です。いまの目線で未来を見据えてとらえた新しいルードボーイが表現された展覧会になっています。

    トレンドを意識して取り入れるのは、日本の皆さんはとても上手です。でも、今回はトレンドとは関係ないところで、ルードボーイのスピリッツに共感してくれたらとてもうれしいです」
    (大嶋慧子)

    RETURN OF THE RUDEBOY展
    ─DEAN CHALKLEY×HARRISS ELLIOTT

    3月20日(金)~3月26日(木)

    ラフォーレミュージアム原宿
    東京都渋谷区神宮前1‐11‐6 ラフォーレ原宿6階

    TEL:03-3475-3129
    開館時間:11時~21時※3月20日のみ18時に閉館。終日、入場は閉館の30分前まで
    ※場内混雑の際は、入場制限の可能性あり
    入場料:¥500
    会期中無休