今週末まで! 佐藤直樹個展「秘境の東京、そこで生えている」を目撃せよ。

  • 文・及位友美

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アーツ千代田 3331メインギャラリーの壁面いっぱいに広がる、植物や木々たち。その息づかいが聞こえてきそうな存在感で、そこで生えています。作品タイトル:その後の「そこで生えている。」/2014-2017

アートディレクター、デザイナーとして多岐にわたる活動で知られる佐藤直樹。現在、アーツ千代田 3331メインギャラリーにて開催中の個展が話題を集めています。30年来「デザイン」を極めた佐藤が、近年、本格的に向き合っているのが木炭で身近な植物を描く「絵」。初の大型個展となる「秘境の東京、そこで生えている」では、合わせて150メートルに及ぶ壁一面を埋め尽くした圧巻の作品群が見られます。ついに今週末フィナーレを迎える本展、ラスト3日間(6月9日~11日)は開場時間を1時間延長しての開催です!

板に木炭というシンプルな画材で佐藤が描き出すのは、まるで呼吸が聞こえてくるような存在感を放つ花や植物たち。そのモノクロの世界の連なりは、見るものに物語を想起させる巨大な絵巻物のようでもあります。

佐藤は2010年に本展の会場「アーツ千代田 3331」の立ち上げに参画し、ロゴをはじめ数々のアートディレクションに関わってきたデザイナーです。デザインから絵画へと、その表現のフィールドを展開した佐藤の個展がこの場所で開かれることも、ひとつのエポックと言えるでしょう。

本展のアーティストステイトメントでは、何のために絵を描くのか、という問いに対し、「その存在そのものに向けて描くのです」と佐藤はコメントを寄せています。「存在の気配としか言いようのないもの」を捉えようとする作品群。向き合えば、新しい感覚のとびらが開かれるかも? ラスト3日間の開催、どうかこの機会をお見逃しなく!

新作の植物立像図(2.4×1.2メートル)のシリーズ26枚の展示。描きかけた線や余白にも“存在の気配”が宿ります。最後の1枚にはどのような植物が描かれるのか――。作品タイトル:植物立像/2016-2017

毎時15分と45分に約10分間展開される照明・音響・歌とともに作品を鑑賞するサウンドインスタレーション、必見です。作品タイトル:はじめの「そこで生えている。」/2013, 2017

佐藤直樹個展「秘境の東京、そこで生えている」展示会場入り口。

佐藤直樹個展「秘境の東京、そこで生えている」

開催期間:~2017年06月11日(日)
開催時間:12時~19時
備考:6/9(金)〜6/11(日)12時~20時(最終入場19時30分)※開場時間延長
開催場所:アーツ千代田 3331 1F メインギャラリー
東京都千代田区外神田6丁目11-14
休館:火曜
料金:一般¥800/シニア・学生700円/高校生以下・障害者 無料
http://ithasgrown.com/