キリスト教にちなんだ古きモノの美に気付く、ギャラリーウチウミの「聖夜展9」。

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    「ゴシック柱頭残欠」 フランス イルドフランス、1225~1250年頃、高さ約69cm (価格要問合せ)

    アンティークのデルフトの器から日本の若手作家のオブジェまで、ギャラリーウチウミに置かれるのは、店主・内海徹さんの目にとまったモノ。時を経たモノの静かな佇まいや、あるいは動物のオブジェのかわいらしい顔が気になって、折に触れて訪れたくなるギャラリーのひとつです。毎年、楽しみにしているのが、12月に入ると届く『聖夜展』のお知らせ。キリスト教にちなんだ古きモノが一堂に会する人気の展示で、今年で9回目を迎えます。

    今回の出品作はヨーロッパを中心に、イコンや、手にのるくらいの大きさのビザンチンの十字架のほか、大きいものではロマネスクやゴシックの柱頭残欠も展示されるそうです。日常の器や道具など、名もなきつくり手の生み出した美しいモノは欧米のみならず、アジアにもたくさんありますが、特に宗教のためにつくられたモノは、祈りの心が手指からにじみ出るというか、どこかしらに温もりがあって惹かれます。もしかするとすべてがそうというわけではなく、ここにあるモノは、つくり手も意識していなかったような誠実さを内海さんがくみ取って選んだものだからかもしれません。キリスト教徒ではないけれども、これらの造形からは清々しさが感じられて、新しい年を迎える前に、例年いい気分にさせられるのです。会期は12月13日~12月21日までですので、お早めにどうぞ。(Pen編集部)

    「ビザンチンクロス 3点」 バルカン半島 8~10世紀 右のクロスの最大サイズ11cm
    ¥35,000(左)、¥30,000(中)、¥48,000(右)

    「立体イコン」 ギリシャ、18世紀、高さ約19cm (価格要問合せ)

    『聖夜展9』
    12月13日(土)~12月21日(日)

    ギャラリーウチウミ
    東京都港区東麻布2-6-8 カドルA 101号室

    TEL:03-3505-0344
    開館時間:12時~19時
    入場無料
    会期中無休
    www.gallery-uchiumi.com