一冊数百万円の限定アート本 “図書館” が、「ドーバー ストリート マーケット ギンザ」に !

    Share:

    上写真のシェルフに収められている作品は、現代ドイツを代表する、写真を表現手法として用いるアーティスト、トーマス・ルフの限定本「TWO WOMEN」(2013年刊)。署名入りの印画紙プリント写真39枚が、漆塗装された3個のボックスに収められています。人の上半身を撮影し、巨大なサイズにプリントして展示発表した過去のポートレートシリーズのコンパクト版といえるでしょう。限定40部がつくられたこの豪華本のお値段はなんと、286万円!

     これら希少性の高い「リミテッドエディション」を取り扱うコーナーが、コムデギャルソンが運営する東京・銀座のコンセプトショップ「ドーバー ストリート マーケット ギンザ」7階にお目見えしました。カフェ「ローズベーカリー」横のエスカレーター周囲にディスプレイされたコーナー名は、ラテン語で“図書館”を意味する「BIBLIOTHECA(ビブリオテカ)」。古書を取り扱う「リムアート」代表の中島佑介さんが品揃えを担当しています。

     第一弾となる今回フォーカスされたのは、フランス・パリで10年前に創業された出版社「TOLUCA EDITIONS」。写真を使ってアートを表現する作家とコラボレートした限定本をリリースしている出版社です。プロダクトデザインに匹敵する凝った装丁が施された豪華本は、約100万〜350万円と高価なもので、一般の書店ではまず目にすることのないコレクションです。

     現在展示されている作家のうち、日本人ではフォトグラファーの森山大道さん、荒木経惟さん、ホンマタカシさんらが名を連ねています。“本”としては敷居が高くても、“アート”の購入としては入門編にもなるこの企画。すでにソールドアウトの作品もありますが、それらの展示も続けられています。ビブリオテカの名が示す“図書館”として、希少本を閲覧しに訪れてみてはいかがですか?(写真ともに高橋一史)

    コムデギャルソンによってデザインされ、キュレーションされた「ビブリオテカ」は、エスカレーター横と周囲のアクリルケース。企画内容は約3ヶ月ごとに変わる予定。左側は「ローズベーカリー」。

    左より、ホンマタカシ、トーマス・ルフ、アンドレス・セラーノ。ホンマタカシ「STRUCTURE PULSION」(2009年刊 ¥929,500)は、7枚の署名付き印画紙プリント写真入り。

    アメリカカラー写真の先駆者といわれるミッチ・エプスタインの「FRATERNITY
    」(2006年刊 ¥1,215,500)。

    手間より、ドイツ人のガンジダ・ホーファー「LES DRANDS TRANSPARENTS」(2006年刊 ¥1,144,000)、フランス人のジャン=マルク・ブスタマンテ(ビュスタモント)(2008年刊 ¥3,575,000)

    ドーバー ストリート マーケット ギンザ

    東京都中央区銀座6-9-5 ギンザコマツ西館
    TEL:03-6228-5080
    営業時間:11時~20時(金・土は、21時まで)
    不定休

    http://www.doverstreetmarket.com