写真好きは思わず声を挙げてしまうニュースではないでしょうか。
トーマス・デマンドが、この5月から拠点を北参道に移転するタカ・イシイギャラリー東京で「Model Studies(Kōtō‐ku)」展を開催。それに合わせ、トークイベントを開催します。デマンドは、歴史的・社会的事件の記録写真・映像を模型で再現し、それを再び撮影、まるで事件現場をのぞき込むかのような大型の写真・映像作品で知られていますが、2011年に発表した「Model Studies」は、自分以外の他者が作成した模型を撮影する初作品として注目を集めました。

第2弾として選んだ被写体は、日本の建築ユニットSANAAの建築模型です。デマンドは、新作撮影のため13年よりSANAAの事務所を何度も訪れ、そこで生まれるさまざまなアイデアを形にした建築模型をいくつも撮影したといいます。制作方法や使われる素材、抽象化された細部やその暫定的なあり様など、デマンドと建築模型には多くの共通点があります。デマンドは建築模型を、アイデアを具象化させた彫刻とみなし撮影することで、あらゆるアプローチを通じ、生まれては廃棄されることを繰り返す“アイデア”がもつ束の間の美に光を当てています。

個展開催に先んじ、21日（木）にはIMA CONCEPT STOREにてデマンド本人、東京都現代美術館チーフキュレーターの長谷川祐子さんを迎えてのトークイベントを開催。イベント前日までに写真集『Model Studies: Kōtō‐ku』を購入された方は、本イベントに無料で参加できるとのことです。もちろん購入せずともトークには参加可能です。申し込みは下記リンクまで。デマンドファンならずとも必見のトークショー。ギリギリの案内になりましたが、ぜひお急ぎください。（Pen編集部）