No.379

若冲を見よ。

史上最強の天才絵師
若冲を見よ。

2015年 04月01日号 No.379 ¥667(税抜)

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デジタル版

2000年、京都国立博物館。没後200年を記念した画家の展覧会が大ブームとなった。その名は伊藤若冲。精緻な動植物や大胆な筆づかいに人々は驚愕した。日本にこんな画家がいたのか!と。のちの人気は周知の通りだ。
この『若冲展』を手がけた狩野博幸教授に、特集の監修を依頼した時のこと。教授は言った。「若冲のような画家は、いない。財力があり、報酬を当てにしなかった。絵の才能や精神は圧倒的だが人情もあった。80歳を過ぎても絵が枯れない、ブレない男!」
若冲の人となりや、近年発見された作品、調査でわかった独自の技法。日本美術史上・最強のアーティストは、その絵は、語るべきものをまだ多く秘めている。これからが若冲を知る好機だ。いまこそ、若冲を見よ!

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  • 日本美術において一、二を争う人気絵師、伊藤若冲(1716~1800年)。動植物の精緻な描写は、現代の私たちをもアッと言わせます。しかし誰もが知る絵師でありながら、いまだ知られざる部分が少なくありません。2000年の『若冲展』(京都国立博物館)を手がけブームの契機をつくった狩野博幸教授(同志社大学)を監修に迎え、稀代の絵師に迫りました。特集は、江戸絵画に惚れ込むきっかけが若冲だったと語る俳優の井浦新さんが、若冲の作品と出会うところからスタートします。
  • 近年、史料によりこれまでの若冲像がくつがえされ、その人となりが書き変えられています。それにともなって、新しい作品解釈も出てきました。同志社大学の狩野博幸教授が、最晩年の傑作『仙人掌群鶏図』(さぼてんぐんけいず)と、その裏面の『蓮池図』(れんちず)について、これまでにない作品解釈を書き下ろし。絵師がこの絵に込めた意図を、読み解きます。
  • 仏教に帰依し、頭を剃って、肉は食べず、禅僧のような生活を送っていたという若冲。実際はどんな人だったのでしょうか? 没後に描かれた唯一の肖像画から、市場で売られていた雀を買い取って放した話、当時から京画壇のトップランナーだったことを示す人名録など、その実像がわかるようなエピソードを集めました。若冲の好きだった食べ物も紹介します。
  • まるでデジタル絵画のようなイメージで、現代を生きる私たちに迫ってくる若冲の「枡目描き」作品。チームラボが作品として取り入れたことも記憶に新しいですが、江戸時代にこんな途方もない絵画を生み出していたなんて驚きです。ここでは『白象群獣図』『樹下鳥獣図屏風』『鳥獣火木図屏風』の3作品を紹介。それぞれに共通するのは、描かれた動物たちがとても愛らしく、思わず笑みがこぼれてしまうこと。『樹下鳥獣図屏風』『鳥獣花木図屏風』はエキゾティシズムあふれる美しさも魅力です。
  • 若冲といえば、まず鶏を思い浮かべる人が多いかと思いますが、ちょっとお待ちください。彼はそのあたたかなまなざしを、他の動物にももちろん注いでいました。鯉、犬、亀、鹿などから、鳥つながりではカラスまで。どこかユーモアのあるたたずまいは、見る者の想像力を掻き立てる奥深い魅力があふれます。虎を描いた『竹虎図』は、当時の日本には虎がいなかったので模写になりますが、ぎょろっとした目、丸っこい手、どこか愛らしい口元など、若冲の動物への愛情が垣間見える気がします。
  • 普段なかなか見られない若冲の作品ですが、今年は多くの展覧会が開催されます。まずは若冲とも縁の深い相国寺の承天閣美術館。『鹿苑寺大書院旧障壁画』をはじめ、琳派作品と合わせて約30点の作品が並びます。東京ではサントリー美術館の『生誕三百年 同い年の天才絵師 若冲と蕪村』展。同い年の天才ふたりの競演は、また違った若冲の魅力が見えてくるかもしれません。島根では『伊藤若冲と京の美術-細見コレクションの精華』、「花丸図」が見られる『昔も今も、こんぴらさん』はあべのハルカス美術館で、そして大分では『モダン百花繚乱「大分世界美術館」』が開催。また、晩年の若冲が制作した五百羅漢が見られる石峰寺まで、充実の内容でお届けします。

目次

史上最強の天才絵師 若冲を見よ。

俳優・井浦新が語る、「若冲を視る」 ということ。
代表作に秘められた、画家の意図を読み解く。
京都のセレブが隠居して、絵師となった。

傑作を見よ!①
日本美術の至宝、『動植綵絵』と『釈迦三尊像』。
修理・調査でわかった、驚異的な技法と試み。

傑作を見よ!②
見る者を圧倒、水墨画の大作『象と鯨図屏風』。

若冲を最も愛する男、ジョー・プライスの願い。
コピーとの比較で明らかになる、圧倒的画力。
18世紀の京都が、偉才・奇才を輩出した背景。
天才絵師の精神を支えた、2人のキーパーソン
影響がうかがえる、江戸中期の絵師たち。
「若冲ワールド」をひも解く鍵は仏教にあった。
エピソードで紹介、天才絵師はこんな人です。

自由な発想が生み出した、驚きの技法。
筋目描き 墨の“にじみ”という偶然を、巧みに操る。
枡目描き 江戸時代に編み出された、独自のデジタル絵画。
拓版画/多色摺り 漆黒の闇が引き立てる、白と色彩のモダン

生命力にあふれる、動物たちの躍動を見よ。
野菜の行進で幕を開ける、楽しき『菜蟲譜』。
クリエイターも夢中、私の愛する作品たち。
展覧会も続々と!名品に会いに出かけよう。

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