No.352

シルクロード

東西が出合う創造の道
シルクロード

2014年 02月01日号 No.352 ¥571(税抜)

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デジタル版

はるか遠く、ペルシャや西域に出自をもち、
長き交易の道を経て奈良に渡来した、白瑠璃碗や五絃琵琶。
こうした未知の輝きを放つ宝物に触れ、仏教を受容しながら、
日本が独自の美を発展させていったことは、知られている通りだ。
絹に代表される東西の通商路は経済活動のみならず、
新しいクリエイションへと人々を誘う道だったのだ。
今回Penは、古く交易が盛んであった新疆ウイグルを訪ねた。
街には、現代のウイグル族の暮らしが土地の歴史に重なり、
砂漠には、玄奘が記した古の国の跡が大地に残る。
異文化が流入し、民族が出合った軌跡に花開いた文化は、
シルクロードが育んだ人類の営み、その豊かさの証しだ。
ユーラシア大陸の広域にわたった創造の道を、いま解き明かす。

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  • ユーラシア大陸の東西交易ルート「シルクロード」。この道は、交易路であるばかりか、文化を運び、宗教を伝え、東西の架け橋としての役目をも担っていました。Penの2014年は、異なる世界との出合いが新たなクリエイションへとつながることを示す、シルクロード特集で幕開けを飾ります。扉ページの写真は、取材で訪れた新疆ウイグル自治区のクチャという街でのカット。過去にオアシス都市として栄えたクチャに暮らすウイグル族の住まいは、カラフルな装飾が施された温かみある扉が印象的でした。
  • 特集は、シルクロードから日本にわたった至宝の紹介からスタート。この見開きは、奈良・正倉院に収められた宝物の写真です。4~5世紀にササン朝ペルシャでつくられた『白瑠璃椀』(右)と、7~10世紀の唐時代のものとされる『螺鈿紫檀五絃琵琶』(左)。当時の日本ではつくれなかった透明のペルシャガラスの美しさ、現存する最古の五絃琵琶の見事な螺鈿細工、これらが日本人の美意識を刺激し、さまざまな工芸の技が磨かれていったことは想像に難くありません。
  • 東は日本から西はローマまで関係したシルクロードには、大きく分けて3つのルートがあったと言われています。地図で見てみるとその広がりにあらためて驚きませんか。誌面では、泉州、西安、敦煌、サマルカンド、カブール、パルミラなど、要衝の地に残る遺跡を紹介。仏教遺跡から、バクトリアの金の宝物まで、実に多彩な文化が、各地に築かれたことがわかります。
  • 今回の特集では現・新疆ウイグル自治区の、クチャ、ホータン、トルファンをフィーチャー。唐時代に玄奘三蔵が訪れたオアシス都市は、往時仏教国として栄えていましたが、変遷を遂げて、現代ではおもにイスラム教徒のウイグル族が暮らす街となりました。ラクダや徒歩で、命を賭してキャラバン隊が行ったタクラマカン砂漠には、1995年に高速道路「砂漠公路」が開通、砂漠の交通事情はがらりと変わりました。けれども郊外の砂漠には、仏教伝来に縁のある遺跡や仏教寺院が残ります。
  • シルクロードではさまざまな文化・風俗が育まれました。 実は仏像が初めてつくられたのも、東西の文化が出合ったことが影響したと考えられています。今回は、仏像やバーミヤン遺跡など10のテーマをピックアップ。たとえば、有名な敦煌の「莫高窟(ばっこうくつ)」は、仏教以外に異文化の神々も描かれた、シルクロードならではのユニークな石窟寺院でした。中国発祥の麺から中央アジアのラグマン、日本のうどん、ベトナムのフォーなど、多彩な麺料理が生まれた経緯も必読!このほか玄奘三蔵、マルコ・ポーロ、探検家など人物にもフォーカスした記事もあります。シルクロードの歴史は、好奇心を刺激してやみません。
  • 第2特集では、著名人10名が愛用する旅の必需品をご紹介。冒険家や建築家、写真家、評論家など、世界を縦横無尽に旅しながら仕事をする彼らの個性を如実に表す、ユニークなアイテムが目白押しです。たとえば、街の写真を無数にコラージュして作品を生み出す写真家の西野壮平さんは、旅先であえて壊れたコンパスを持ち歩き、道に迷うといいます。その結果、その街の意外な素顔や、まったく知らなかった側面に出会えるのだそう。また、ジャーナリストの佐々木俊尚さんは、河出書房新社の世界文学全集を数冊持っていき、音楽を聴きながら読書に耽る、というのがお決まりのバカンススタイル。10人から紹介してもらったアイテムは、いずれも彼らの愛が深くしみ込んだ逸品です。

目次

シルクロードが日本に運んだもの。

ひと目でわかる、シルクロードの3つのルート
勢力の変遷や交易の状況から、歴史をみる。
4つの要衝から知る、大陸を貫いた交易の道。

古の交易路を訪ねて、新疆ウイグルへ。

クチャ(庫車 KUCHA)  
亀茲国の繁栄で知られた、西域のオアシス
ホータン(和田 KHOTAN) 
絹の伝説が残り、「玉(ぎょく)」で人々を魅了し続ける。
トルファン(吐魯番 TURPAN) 
酷暑と乾燥の大地に刻まれた、諸民族の栄華。

シルクロードが育んだ、豊かな文化。

仏像の誕生  世界初の仏像は、西方文化と出合って誕生した。
仏像の発展  ユーラシア大陸で、仏像は多彩に発展した。
バーミヤン遺跡 かつてこの谷には、2体の大仏が輝やいていた。
敦煌の美術  10世紀に及び砂漠に築かれた、無二の大画廊。
麺  中国発祥の麺は、世界初のグローバル食材だ。
音楽  ヨーヨー・マが惚れ込む、シルクロードの旋律。
ワイン ワイン文化が広がった足跡を、酒器から辿る。
珍重された絹と交易 世界が愛した絹織物は、技術の革新を促した。
龍  瑞祥からサタンまで、変化する龍のイメージ
紙  西方社会に影響を与えた、画期的な書写材。

長き道を行き、世界を揺り動かした人物。

アレクサンドロス大王/玄奘三蔵

海のシルクロードを航海した、東西の英傑。

鄭和/マルコ・ポーロ

失われた記憶を求めた、探検家列伝。

スウェン・ヘディン/オーレル・スタイン/ポール・ぺリオ/大谷光瑞

いつもそこにある、旅する愛用品。

松浦弥太郎(文筆家) 谷尻 誠(建築家) 西野壮平(写真家) 
野添剛士(SIXクリエイティブディレクター) 
佐々木俊尚(ジャーナリスト) 
丸若裕俊(丸若屋代表) ルーカスB.B.(ペーパースカイ編集長) 
角幡唯介(ノンフィクション作家) 宇野常寛(評論家) 
栗野宏文(ユナイテッドアローズ上級顧問)

腕時計のポートレイト ─並木浩一

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