魅せるエアコン「霧ヶ峰Style」が、インテリアを変える。

  • 写真:本多康司
  • 文:高野智宏
  • スタイリング:今吉高志

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インテリアの一部として考案されたエアコン「霧ヶ峰Style」。その革新的なルックスは、従来のエアコンの概念、そして空間をも一変させる力があります。

エアコン選びの基準といえば、設置空間に対応したパワーをはじめ、多彩な送風機能に清潔性、また、省エネ性能も大きな要素。いや、大半の人がこれらの要素で比較検討するはずです。そこに「デザイン性」が加味されることはありませんでした。

そんな、エアコンにおけるデザインの概念を一変させるモデルがあります。日本が誇るエアコンブランド、三菱電機の「霧ヶ峰」から昨年発売された「霧ヶ峰Style」シリーズです。

センスある空間に映える、スクエアなFLシリーズ

「霧ヶ峰Style」FLシリーズの直線的なフォルムと好相性をみせる、ニューヨークスタイル風のインダストリアルな空間。とはいえ、カッチリしすぎては堅苦しいというもの。インテリアにはヴィンテージのアイテムやエッジィなグリーンをアクセントとするなど、適度な抜け感を出すのがスタイリングのポイント。(W89×H30.7×D23.3㎝)

「霧ヶ峰Style」シリーズのメインカラーは赤。それも、深みをたたえたボルドーレッドです。フォルムも完璧なスクエアと、そのデザインは従来のエアコンとは逆に、存在を高らかに主張します。

「エアコンは数年間にわたり空間に常設するもの。ならば、存在を消すのではなく、インテリアのひとつとして選んでもらえるようにデザインしました」とは、リビングダイニングに適した「霧ヶ峰Style」FLシリーズのデザインをした三菱電機デザイン研究所の加藤弘之さん。確かに、そのデザインは家電というよりモダンなインテリア家具の趣を感じます。

「センスのよい上質な空間にあるべきエアコンとはどういうものか。そんな視点で思考を重ねてたどり着いたのが、赤という色であり、直線的なフォルムなのです」。

そう加藤さんが言う通り、「霧ヶ峰Style」FLシリーズはハイセンスな空間に合います。たとえばシックで重厚なインテリアを中心に、荷積み用のパレットやグリーンで崩しのアクセントを効かせたスタイリッシュな空間にも、スクエアなフォルムがごく自然に共存しています。

そんなインテリア性の高い、いわば〝ライフスタイルエアコン〞だけに、FLシリーズが昨年のグッドデザイン賞で「グッドデザイン・ベスト100」に選出されたことも、当然といえるかもしれません。

FLシリーズは、人の身体の温度変化を0.1度単位で測定し、適度な風を送る「ムーブアイ」などの快適性能や、霧ヶ峰の上位クラスに相当する省エネ性能、そして、エアコン内部をクリーンな状態に保つ清潔性能など、エアコンの本質的な機能にも優れています。

コンパクトな部屋に適した、AXVシリーズ・Sシリーズも誕生。

濃いグリーンの壁とのコントラストにより、いっそうと引き立つAXVシリーズの存在感。また、なによりその深みのある赤が挿し色として機能するとともに、空間全体を引き締める効果をも担います。(W79.8×H29.5×D25.2㎝)

さらにこの3月には、リビングダイニングに適したFLシリーズに加え、寝室や書斎などの個室用としてコンパクトなAXVシリーズ・Sシリーズも登場し、選択肢も広がりました。「色壁のほうがボルドーレッドの存在を主張しやすいし、空間への挿し色効果も高い」とは、スタイリングを手がけた今吉高志さん。開放的で色彩豊かな空間にAXVシリーズを置くと、赤が挿し色として機能し、多彩なインテリアやアートとも違和感なく馴染みます。

AXVシリーズ・Sシリーズのパウダースノウカラーは、寝室や子ども部屋などの落ち着いた空間に最適な色。(W79.8×H29.5×D25.2㎝)

ちなみに「霧ヶ峰Style」のいずれのシリーズにも、ボルドーレッドのほかパール粒子が光を反射して爽やかにきらめくパウダースノウがラインアップされています。白を基調とした温もりを感じる北欧風の空間や多彩なグリーンを配したナチュラルな部屋などには、これほど好相性なカラーはないでしょう。

洗練のフォルムに鮮烈なカラーを纏う「霧ヶ峰Style」。従来とは一線を画すその革新的なデザインには、インテリアのようにエアコンを選ぶ時代の到来を予見させます。

「霧ヶ峰Style」が映える、スタイリッシュな空間とは。

三菱電機デザイン研究所の加藤弘之さん(右)と、インテリアスタイリストの今吉高志さん(左)。今回の「霧ヶ峰Style」がある空間スタイリング撮影を通して、ふたりがエアコンとインテリアの関係性を語ります。

空間に埋没させることを目的とした従来のエアコンから、ライフスタイルに寄り添うインテリアとしてのエアコンへ。ここでは、「霧ヶ峰Style」FLシリーズのデザインをした三菱電機デザイン研究所の加藤弘之さんと、本企画で空間スタイリングを手がけたインテリアスタイリストの今吉高志さんが、「霧ヶ峰Style」のデザイン性とその空間演出について対談します。


加藤 これまで赤いエアコンのある空間をスタイリングされたことはなかったと思いますが、いかがでしたか。

今吉 赤に限らず、これまではスタイリングの要素から外す存在であったエアコンを軸にスタイリングをして、インテリアとして存在させる可能性を感じました。ただ、やはりエアコンは白という概念がありますから、ボルドーレッドという色に初めは戸惑ったことも事実です。なぜ、この色を採用しようと思ったのですか。

加藤 これまでエアコンは、空間から存在を隠すようデザインされてきました。一方で、そうした「エアコンらしい色やデザインが嫌だ」という声も多く聞いてきました。ならばその存在を主張し、インテリアの一部となるエアコンをつくろうと。その結果がボルドーレッドというカラーであり、これが決め手となり製品化が決定しました。また、スクエアなフォルムもインテリアを意識してデザインしました。

今吉 確かに、赤というカラー以上にFLシリーズのほぼフラットなスクエアフォルムにも驚かされました。

加藤 この直線的なフォルムを実現させるのにはとても苦労しました。フラップを内部に格納する構造をゼロから設計するなど、設計部門には大変苦労をかけました。

FLシリーズのフラットなフォルムを実現すべく、内部にフラップを格納する新機構「匠フラップ」を開発。内外左右計4枚のフラップで気流をコントロールし、部屋の中にいる人々に快適な風を送り出します。

今吉 外装の仕上げも素晴らしいですよね。ボルドーレッドとパウダースノウともに、繊細なヘアラインが上質感を高めていると感じました。

加藤 これは、いずれも裏面にヘアライン加工を施すとともに、特殊な塗装層により光を反射するように加工しています。この仕様にたどり着くまで、何度も試行錯誤を重ねました。

今吉 設置する空間の光の射し方や、見る角度によっても表情を変えるのがとても面白いと思ったし、そうしたこだわりにはインテリアに携わる者としてとても共感を覚えました。

パネル裏面に繊細なヘアラインと凹凸加工を施し、そこにボルドーレッドはシルバーメタリック、パウダースノウは白塗料とパール粒子を塗装。これにより光が複雑に屈折、反射して豊かな表情が生み出されました。

加藤 今回は今吉さんに「霧ヶ峰Style」のある、ふたつの空間をスタイリングしていただきました。ぜひ、テーマやポイントを教えてください。

今吉 最初のシックな空間は、海外のリノベーションしたアパートがイメージです。FLシリーズのスクエアなフォルムが映えるようにスタイリッシュにまとめつつ、堅苦しくならないよう、荷積み用のパレットやヴィンテージのテーブルセットなどを崩しのアクセントにしています。またAXVシリーズは、カラーの壁へ挿し色的に設置しました。インテリアには北欧や和のものなどが混在していますが、こうした要素の多い空間でも、ごく自然に馴染んでいる。存在感あるボルドーレッドですが、ときにその存在感を主張し、ときにインテリアと共存するなど、さまざまなスタイルにフィットする可能性をもっていると思います。

加藤 和室にはどうでしょうか。

今吉 畳とも相性がいいと思いますよ。和室となれば壁色も白ではなく、くすんだ色だと思いますので、より赤が映えるのではないでしょうか。

加藤 なるほど。今回のスタイリングを見て「霧ヶ峰Style」がインテリアにもなり得る確信がもてました。

今吉 空間にこだわる人は、こういう確固としたスタイルをもつエアコンを待っていたと思う。また、「霧ヶ峰Style」を基準とした空間づくりも面白いかもしれませんね。



■加藤弘之|三菱電機株式会社デザイン研究所
1977年、滋賀県生まれ。大学卒業後、三菱電機株式会社入社。デザイン研究所所属となり、冷蔵庫や洗濯機等の家電製品や、ハンドドライヤーや換気扇等の設備機器などさまざまなプロダクトデザインを担当。現在、ルームエアコンのデザインに従事する。

■今吉高志|インテリアスタイリスト
1984年、大阪府生まれ。デザイン系専門学校を卒業後、インテリアスタイリストの山田貴美子氏に師事し、キャリアを積む。2009年、「kichi」として独立後はメンズ、ウィメンズ双方の雑誌をはじめ、広告やカタログなど多方面でスタイリングを手がける。

機能面でもハイスペックな「霧ヶ峰Style」。そのこだわりをご紹介します。

「快適」へのこだわり。

ムーブアイ極(FLシリーズ)

赤外線センサーにより、床・天井・壁などの空間の室内温度、室内にいる人の位置、さらに手先や足先などの末端部位を含む身体の温度変化を0.1℃単位で測定。同じ空間のなかに暑がりの人と寒がりの人がいても、温度の感じ方に合わせた気流を送り、快適に過ごすことができます。

匠フラップ(FLシリーズ)

内外左右にある計4枚のフラップが異なる気流を生み出すことで、従来の身体の一部分だけ冷えてしまうような直線的な風ではなく、自然に揺らぐような優しい風を再現しました。さらに、フラップがそれぞれ動くことで室内の別々の場所にいる人に同時に風が届きます。

ムーブアイ(AXVシリーズ)

就寝時の暗い室内でも、赤外線センサーで室温から床の温度、そして人の体感温度までを測定してくれるのがムーブアイ。さらに、夏の寝苦しい夜などは「みまもり快眠」を設定すると、ムーブアイが人の体感温度を感知、ハイブリッド運転で「冷房」と「爽風」に自動で切り替わります。冷やしすぎやタイマー運転による急な気温変化などなく、リラックスして眠れるのは嬉しい限り。



「省エネ」の工夫。

ハイブリッド運転

ムーブアイ機能により、季節によって運転が自動で切り替わります。夏は体感温度に合わせて「冷房」と「爽風(風だけを送るシステム)」を切り替え。冬は体感温度が低い時は「暖房」、天井付近に暖かい空気が溜まってきたら風で循環させる「サーキュレーター」モードに自動でチェンジ。快適&省エネなつくりが実現しました。



「清潔」を保つ秘訣。

ハイブリッドナノコーティング

エアコン内部(※)には、ホコリなどの親水性の汚れを防ぐフッ素粒子と、油汚れなどの疎水性の汚れをはじく親水性薄膜をナノレベルで配合した「ハイブリッドナノコーティング」を採用。性質の異なる汚れの付着を抑制するコーティング技術を適用することで、運転効率の低下を防ぎ、無駄な電力の消費をセーブする。メンテナンスも簡単に。

※FLシリーズは「熱交換器・ファン・通風路」、AXVシリーズは「ファン」

問い合わせ先/三菱電機お客さま相談センター
TEL:0120-139-365(フリーダイヤル) 0570-077-365(携帯電話・PHS・IP電話の場合)
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