“麦100%”の新ジャンル、「キリン のどごし スペシャルタイム」が支持される理由とは。

  • 写真:杉田裕一
  • 文:高野智宏

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今年4月、ビールの新ジャンル市場で圧倒的なシェアを誇る「キリン のどごし」シリーズに、“麦100%(※)”を原料とした新たな通年商品「キリン のどごし スペシャルタイム」が登場。早くもその上質な味わいが話題となっています。この春夏一番の注目商品について、開発を担当したキリンビールの中村壮作さんへのインタビューを行い、その人気の秘密に迫りました。(※麦芽・大麦・大麦スピリッツを使用)

4月18日より全国発売となった、のどごしシリーズの新商品「キリン のどごし スペシャルタイム」。“麦100%”を原料とした上質な味わいながら、気軽にゴクゴク飲める特別な“のどごし”が誕生した。

「キリン のどごし<生>」と言えば“ゴクゴク飲める爽快な生”として、2005年の発売以来、高い人気を誇る新ジャンルのトップブランド。14年発売の糖質とプリン体もゼロの商品「キリン のどごし オールライト」を加えた「キリン のどごし」シリーズとして好評を博しています。

そんな人気シリーズにこの度、新たな通年商品「キリン のどごし スペシャルタイム」がラインアップされました。“麦100%”ならではの豊かで上質な味わい。しかも気軽にゴクゴク飲めるシリーズの特性も受け継いだ特別な“のどごし”として、発売以降「ビールに近い味わい」「毎日楽しめそう」など好評を博しています。今回は“これまでの新ジャンルにはない”と言われる、その魅力的な味わいの秘密に迫るべく、開発を担当したキリンビールの商品開発研究所 新価値創造グループの中村壮作さんに、興味深い開発の裏側を伺いました。

試験醸造の繰り返しにより実現した、好バランスの味わい。

中村壮作(キリンビール 商品開発研究所 新価値創造グループ)。キリンビールに入社後、マーケティング部の商品開発研究所に所属。今回の「キリン のどごし スペシャルタイム」をはじめ、ビール類の開発に従事する。

発売直後より飲んだ人から「ビールに近い味わい」「飲みやすい」と軒並み高評価を得ている、「キリン のどごし スペシャルタイム」。とは言え、キリンビールにおける新ジャンルには、「キリン のどごし<生>」という人気商品が既に存在しています。今回なぜ「キリン のどごし」シリーズの新商品を開発されたのでしょうか。まずは開発に至った、その経緯を中村さんに伺いました。

「のどごし<生>は、ゴクゴク飲めて爽快なのどごしを楽しんでいただける商品として、2005年の発売以来ご好評をいただいておりますが、一方で近年のビール類の市場では原料に麦芽などを使用した“麦系新ジャンル”商品の人気が高まっていました。そこで弊社も、2年ほど前から『冬のどごし<華やぐコク>』や『夜のどごし』など、特別醸造による麦系新ジャンルの期間限定商品を展開し、のどごし<生>との共存をはじめ、市場の感触を確かめてきました。その結果、味わいを明確に住み分けることで共存も可能だろうと判断し、昨年より開発が始まったという経緯になります」

「麦由来の豊かな味わいだけを追求すれば、リッチである一方、重すぎたり飲み疲れたりする香味になってしまう。飲みやすさとのバランス調整が難しかったですね」。醸造による“味づくり”の難しさを語る中村さん。

なるほど、目的は爽快感を楽しむのどごし<生>と異なる味わいで共存を図るとともに、よりのどごしブランドの充実と強化を目指すということ。となれば気になるのはのどごし<生>と“明確に住み分けた”という、のどごし スペシャルタイムの味わいです。

「のどごし<生>と近い味わいでは意味がありません。重視したのは、のどごし<生>の味わい属性から振り切った、対極的とも言える“麦100%”ならではのコクやボディ感、いわゆる味の厚みをしっかり出すことでした」

とは言え、そこはのどごしシリーズの新商品。シリーズに受け継がれる“ゴクゴク飲める、爽快なのどごし”という、味の厚みとは相反する特徴は継承しなければなりません。

「期間限定ではなく通年商品ですから、日常的に楽しめる香味にしなければなりません。“麦100%”の特徴を活かしてのどごし<生>との距離は取りつつも、シリーズの特性である飲みやすく爽やかなのどごしも感じられる味わいのバランスを表現するのは、とてもハードルの高い作業でしたね」

中村さんの手帳にびっしりと書き込まれた試験醸造の試飲記録。この記録と他のメンバーの意見、そして成分表をもとに原料の配分などを調整し、再度レシピを作成。試験醸造を繰り返し、目指す味わいを追求する。

中村さんにお話を伺ったのは、ビールをはじめ発泡酒や新ジャンル、そしてノンアルコールなどビール類の商品を研究開発するキリンビール 横浜工場。いわば“キリンビールの心臓部”であり、もちろんのどごし スペシャルタイムも、この工場で約7カ月の期間をかけて開発されました。

「通年商品ということもあり、比較的長い開発期間をかけました。そのため試験醸造も約30パターンに及ぶなど、原料の割合などを微妙に調整してつくり込みました」

1回の試験醸造に要する期間は約1カ月。コンセプトや香味の方向性にもとづいたレシピを5、6パターンつくり、プラントにて醸造する。出来上がったサンプルを化学分析すると同時に、開発メンバーで官能評価を行い、さらに原料の配分などを調整して、再度レシピを製作。再び試験醸造を繰り返し行います。

「試験醸造を多く繰り返せたことで、目指した味わいを実現できました。のどごし スペシャルタイムは、現在のキリンがお届けする麦系新ジャンルの最高峰の商品であると自負しています」

オンリーワンの新商品が、日常を少しだけ特別なものにする。

商品の試験醸造が行われるプラント内。中村さんの後方に見える試験醸造用のタンク1個あたりで約2000kℓ、実にビールの大瓶3000本もの仕込みが可能だという。

中村さんも絶対の自信をもつ「キリン のどごし スペシャルタイム」の、“麦100%”が実現した旨味と、ゴクゴク飲める爽快感。キリンビールが発売前に行った定量調査でも、多くの人が「ビールに近い」「コクがある」と、麦100%による豊かな飲みごたえを感じた一方で、「ゴクゴク飲める」「毎日気軽に飲める」と、爽快なのどごしのよさも実感。さらには試飲した97%の人が、「ぜひ買いたい」と購入意欲を示すなど高い評価を得ています。

そんな調査結果に中村さんも「のどごし スペシャルタイムならではの香味バランスのよさを、しっかりと評価していただいている」と、自信に満ちた笑顔を見せてくれました。

上質な味わいを表現した、これまでにないスタイリッシュなパッケージデザイン。「自分へのご褒美になりそう」「毎日楽しめそう」といった意見が寄せられた。

加えて「スペシャルタイム」という商品名も、我々に高い期待感を抱かせます。

「この商品名に決まったと聞いた時は、正直ちょっとハードルが上がったなと(笑)。でもそれは、決して特別な時間だけに楽しんでほしいという意味ではありません。逆になにげない毎日を、少しだけ特別なものにしたいという願いから名付けられたもの。『お疲れさま自分、今日もよく頑張ったな』と自分へのエールを贈る、毎日に寄り添う存在であってほしいという思いを込めたものなのです」

また中村さんはパッケージデザインに関しても、「のどごし<生>がもつ動のイメージに対して、のどごし スペシャルタイムは静。上質な味わいを一日のシメにゆっくりと楽しむ、特別な時間にふさわしい上質感を感じるデザインに仕上がっていると思います」と、満足げな笑みを浮かべます。

「キリン のどごし スペシャルタイム」は、350mℓ缶と500mℓ缶の2ラインアップ。食事とともに、またはお風呂上がりにプルタブを開ける瞬間が、その日を少しだけ特別なものへと演出してくれる。

最後に中村さんに、アピールポイントを伺いました。

「ビール類の新ジャンルは、“安くておいしいものを”というニーズに最もお応えできる可能性をもつカテゴリーだと思います。今回ののどごし スペシャルタイムは、そうしたご期待にかなうコストパフォーマンスの高い商品であり、これまでの新ジャンルとは違った価値を提供できる、オンリーワンの存在であると自負しています。ぜひ一度、手にとってお試しください」

“麦100%”ならではの豊かな旨味と、これからの季節には嬉しい“ゴクゴク飲める、爽快なのどごし”。そして毎日気兼ねなく楽しめる、家計に優しい新ジャンルならではのプライス。「キリン のどごし スペシャルタイム」は、私たちのなにげない日常にちょっとした特別感を与えてくれる、頑張った一日の終わりに欠かせない“大人のマストドリンク”となりそうです。

キリンビール「キリン のどごし スペシャルタイム」
発売地域:全国
発売日:2017年4月18日
容量/容器:350mℓ缶、500mℓ缶
アルコール分:5%
酒税法上の区分:リキュール(発泡性)①
オープン価格
※ストップ!未成年者飲酒・飲酒運転。のんだあとはリサイクル。

●問い合わせ先/キリンビール お客様相談室 TEL:0120-111-560
www.kirin.co.jp