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ファッション

記憶に遺したい、高架下のこだわり店。

デスティネーション ショップ 06:ファッション界のレジェンドが思いを込めた「Porter Classic 銀座」。

屋根裏のような2階、隣の「PAWN SHOP」も見逃せない。

屋根裏のような2階、隣の「PAWN SHOP」も見逃せない。

屋根裏部屋のような2階。バッグを中心とした商品構成。床にはエアコン用のダクトや天井用の梁などがまだ残っています。

屋根裏のような2階、隣の「PAWN SHOP」も見逃せない。

「一針入魂」といつもモノづくりを教えてくれた、吉田克幸さんの父吉藏さんの名を冠した「KICHIZO」ブランドのバッグなどが並びます。

アーケードの中にありますので、「Porter Classic 銀座」は小さな店に見えますが、2つのフロアをもっています。1階は、洋服やバッグ、靴などの小物を中心にしたフロアで、2階が吉田克幸さんの父、吉藏さんの名を冠した「KICHIZO by Porter Classic」のバッグなどが並んだフロアです。

「店をつくる時に、こういう雰囲気のものをと自分でイメージしてデザインしたのですが、2階は、木の板が張ってあって、もちろんハシゴもなかったんです。みんなで壊し始めたら、あの屋根裏みたいなところを発見したんです」

2階を発見した時の様子を語る吉田さん。2階に上っていくにはスチール製のハシゴで。このハシゴも特製でつくったそうです。2階はエアコン用の太いダクトがそのまま残されていますが、その粗野な感じもこの店のテイストに合っているような気がします。吉田さんがおっしゃるように家の屋根裏部屋に忍びこんでいくような感じがし、宝物探しをしているような気分が味わえます

「バッグは、気持ちよく使えて、出し入れしやすく、安全。優しいデザイン。それだけに絞ってデザインしています。だから誰にでも使いやすい。高齢の方でも、子どもさんでも使いやすくできています。ウチではリペアや加工もやっています。こういう感じでつくりましょうか、と薦めるとお客さんはすごく喜んでくれます。昔、老舗というのは、必ず修理もやってくれたものです。いろいろとつくるのではなく、本当にいいものだけに絞って提供し、使うことを喜んでもらいたいんです」

屋根裏のような2階、隣の「PAWN SHOP」も見逃せない。

店に並んだものを見ながらこの店をつくったきっかけを話す吉田さん。店に売られているものは、すべて吉田さんの思い出の品々。

屋根裏のような2階、隣の「PAWN SHOP」も見逃せない。

ガラスケースの中には、鈍い光を放つナイフなどが並んでいます。「前はもっとたくさんあったんだけど。最後はペンなんか、僕が売ろうかな」と吉田さん。

「Porter Classic 銀座」と一緒にぜひ立ち寄っていただきたいのが、隣の「PAWN SHOP」です。「PAWN SHOP」とは「質店」のことです。店のつくりも、並んでいるものも、外国に昔からある小さなショップのようなヴィンテージな雰囲気を漂わせます。商品は世界中を旅した吉田さんが自ら集めてきたもので、並んでいるものはすべて売りものです。平日の夕方には吉田さんが店にいることもあると聞きます。

「1969年頃かな。アップタウンからダウンタウンまで、ニューヨークの街を足に血豆をつくりながら歩き回りました。そんな時に見つけた質屋さんを覗いたら、ボロボロのサキソフォーンがあったんです。おそらくジャズミュージシャンあたりが、お金に困って質入れしたんでしょう。いつかあんな店をやりたいと息子に言ったら、イイよと言われ、この店を始めることにしたんです」

「PAWN SHOP」のほかにも、数軒先に、「Gallery Porter Classic」まで吉田さんはつくりました。毎月テーマを変えて様々な展示、販売を行うスペースです。取材時は、サインペインターのパイオニアとして知られる「NUTS ART WORKS」の作品展を開催していました。青森県に生まれ、独学でペイントを学んだアーティストで、ラルフ ローレンやネイバーフッドなどの店舗サインなども手がけている人物です。

屋根裏のような2階、隣の「PAWN SHOP」も見逃せない。

『乱暴者』(1953年)のマーロン・ブランドの写真。「ライダースにリーバイスの折り返したジーンズがカッコよかった。(共演した)リー・マービンもよかったねぇ」と。吉田さんは銀座で映画もよく観たそう。

屋根裏のような2階、隣の「PAWN SHOP」も見逃せない。

国内外で集めた本なども。もうなくなってしまいましたが、晴海通りにあった「イエナ書店」に通い、洋書や洋雑誌などをチェックしたと吉田さん。