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ファッション

山形に出現した、「世界」を意識したセレクトショップ

デスティネーション ショップ08:自分たちのものづくりのストーリーを表現した、石蔵づくりの「GEA」。

山形・寒河江に世界一を目指した店をつくりたい。

山形・寒河江に世界一を目指した店をつくりたい。

左がライフスタイルグッズやカフェスペースなどもある「GEA#2」。右はファッションアイテムが集めった「GEA#1」。

「GEA#1」がファッションを集積しているのに対して、隣接する「GEA#2」は、ライフスタイルをテーマにしたショップです。食器や雑貨から家具、ステーショナリー、書籍なども扱っています。海外から集めたものも並びますが、「GEA#2」でフォーカスしているのは「日本」です。日本の美しさや和の文化、洋風の暮らしの中でも合う食器や雑貨をおもに集めています。寒河江市の隣町、天童市でつくられる「天童木工」に特別に注文した椅子なども販売、椅子の座面に使われている布地は地元の職人さんと一緒に製作したものだそうです。老舗や有名ブランドというよりは、若いアーティストや新鋭のブランドの商品が集められているのも「GEA#2」の品揃えの特徴といえます。

山形・寒河江に世界一を目指した店をつくりたい。

「GEA#2」に入って、左側がグッズ、家具や書籍などを売るコーナー。右側にはカフェスペースがあります。広々としたつくりで、自分の家にいるかのようにゆっくりショッピングが楽しめます。

山形・寒河江に世界一を目指した店をつくりたい。

「GEA#2」のいちばん奥のコーナー。右側に並んでいるのが、世界的にも有名な「天童木工」の家具です。コラボして特別につくった椅子(右:¥52,920 左:¥84,240)などもあります。

「GEA#2」のもうひとつの特徴が、店内に設けられたカフェスペースといえます。ここで出されているコーヒーやジャムなども地元の企業、ショップと組んで提供していますし、山形のさくらんぼを使ったジャム、これは酸味が強いのでジャムには不向きといわれている素材ですが、それも佐藤さんの発案で現在開発しているところです。カフェには天童木工で製作した椅子も使われています。

「ここで扱っているのは、ほとんどが自分たちでものを売っているような、地元の人たちがつくる食材だったり、それを使ったものばかりです。やがては彼らの食材もブランドにしてあげられれば、と思っています。食事を出す許可も取れましたので、今後は、コーヒーや紅茶だけでなく、ランチなども出したいと。メニューをいま、つくっているところです。ステップ・バイ・ステップですが、ここにレストランやプチホテルなどもつくっていければと思っています」


カフェに座りながら、「GEA#2」の将来について話す佐藤さん。いずれは寒河江市の山にある牧場を買い取り、英国から羊を連れてきて、原毛から製品まですべて「メイド・イン・寒河江」のものづくりを目指したいとも話します。イタリアなどに行くと、地方の小さな街にも一番店と呼ばれる洒落た店がよくあります。その品揃えはミラノやフィレンツェのブティックにも負けない、いやそれを上回るものであった記憶が筆者にはありますが、それを思い出されるような店づくりであり、オーナーの志ではないでしょうか。佐藤さんは世界で最高の店、一流のブランドに、自分たちの糸や製品を提供したいとずっと思い、それを実現しました。自分たちで店をつくるのならば、大都市にある一般的なセレクトショップではなく、世界でも最高の店をこの街につくらないと意味がない、それでこんな洒落た店をつくったのです。

山形・寒河江に世界一を目指した店をつくりたい。

雑貨の中には、自社でつくった手づくり用の毛糸も並んでいます。佐藤繊維も最初はこうした手編み用の毛糸づくりから事業を始めたそうです。

山形・寒河江に世界一を目指した店をつくりたい。

日本屈指の耐熱ガラスメーカーである「HARIO」とコラボしたオリジナルのグラス(¥5,519)。持ち手が「GEA」のマークになっています。

「地方でものづくりをやっていくには、トータルで考えることがとても大事なんです。私たちが糸づくりから、素材、縫製、デザインまですべてやっているように、製品づくりからプロモーション、ネットビジネスまで自分たちでやっていくことが重要なんです。eコマースが進んでいますので、この場所にあっても、いいもの、高感度のものを扱えば、全国、いや全世界にお客様はいるわけですから。山形に住む私たちがトータルでやることが、本当の意味で地方再生につながるのです」

最近では、会社の話、繊維の話を聞きたいと学校の特別講師として招かれることもあるという佐藤さん、地方活性化についても熱く語ります。佐藤さんの目論見通り、4月のオープンから東北はもとより、東京からもお客様が続々この店に訪れています。この佇まい、この規模と品揃え、「GEA」は、ほかの街ではなかなか見ることのできないショップといえます。石づくりのこの店には、寒河江で糸づくり、服づくりをやってきた人たちの「固い」意志が積み重なっているともいえます。地方から世界一を目指すこのショップを見るために、ぜひ寒河江に!(小暮昌弘)

GEA
山形県寒河江市元町1-19-1
TEL:0237-86-7730
営業時間:11時~19時
定休日:木曜
http://www.gea.yamagata.jp