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宮脇モダン―好奇心を刺激するフランス・アンティーク

あたらしい骨董店 Vol. 01:いまの時代ならではの骨董店を訪ねていくシリーズの第1回は、東京・目黒区の住宅街にたたずみ、フランスのアンティークを紹介する小さな店にクローズアップ。

好奇心を刺激する「メゾン・ド・キュリオジテ」

好奇心を刺激する「メゾン・ド・キュリオジテ」

オランダの運河の中から発掘された銀化したガラス瓶の残欠。17~18世紀のもの。¥6,000

一方で、「男っぽい品揃え」と言われることも多いそうで、生活の中で使いこまれて古色を帯びた黒っぽいものもたくさん見られます。例えば刃がすり減ってぼろぼろになったナイフ。長年の使用により、磨き込まれたような艶が出た木製の水切り。もともとが高価なものではない日用品なので、あまり残されていない貴重な生活道具です。
「愛情をもって使い込んだ道具を、愛情をもって買い、お客さんにも大切に使われたらうれしい」と宮脇さんは言います。
最近はフランスのブロカントを扱う店が増えてきたので、女性受けの良い白っぽい食器はあえて少なくしているそう。その分、個人の趣向がより色濃く出たセレクトになっています。「でも、孤高の骨董屋ではないので、ひとりよがりでもひより過ぎてもいけませんね」
骨董屋としては、目が肥えていけばどんどん面白いもの、めずらしいものを追い求めたくなる。けれども宮脇さんの場合、同時に使い手でもあり、暮らしを愉しむ生活者としての視点が、バランスを取っているように感じます。
好奇心を刺激する「メゾン・ド・キュリオジテ」

店主の宮脇 誠さん。

古物屋のことをフランスでは「メゾン・ド・キュリオジテ」とも言うそう。その言葉通り、宮脇モダンには、好奇心を刺激するものが詰まっています。骨董店の醍醐味はやはり、店主が各地を歩いて買い集めた、目を経てきたものに向き合うこと。名もないものを集めて、物への好奇心を喚起させる、粋で洒脱なエスプリが薫る店です。
好奇心を刺激する「メゾン・ド・キュリオジテ」

ウィンドウに掲げられた看板。「モダン」という言葉には、外国のものが憧れだった時代の響きが感じられる。

上段写真:最近見つけた宮脇さんのお気に入りは美術模型。理にかなった完璧な造形にも魅かれる。20世紀のもので、セットで¥30,000。右はコルビュジェやペリアンなどにも愛されたGRASのランプ。