宮脇モダン―好奇心を刺激するフランス・アンティーク

写真:江森康之 文:佐藤千紗

あたらしい骨董店 Vol. 01:いまの時代ならではの骨董店を訪ねていくシリーズの第1回は、東京・目黒区の住宅街にたたずみ、フランスのアンティークを紹介する小さな店にクローズアップ。

いまの暮らしに合う古い器たち

いまの暮らしに合う古い器たち

1700年代のフランス・サマデの絵皿¥35000。絵柄の良いのはめずらしく、はじめて買ったもの。

宮脇さんの選ぶものは多岐にわたりますが、いくつかの傾向があるように見えます。ひとつは、白い皿、グラスウェアなど、生活に取り入れやすい、形がきれいでシンプルな器。実際、店にあるような器は「料理も家のことをするのも好きで、主婦みたい」という宮脇さんも普段自宅で使っているそう。細川亜衣さんなど料理研究家の顧客も多くいます。
タミゼの吉田さんとともに、フランスの白い器、クレイユやモントロー、ムスティエなどの窯を日本に紹介するのに果たした役割も大きいでしょう。フランス骨董の魅力について聞いてみました。
「産業革命以後、イギリスとフランスは非常に恵まれた時代で、市民階級が使う質の高い製品がたくさん生まれました。イギリスのものはきれいでかたい印象があるのですが、フランスものにはやわらかさがありますね」
いまの暮らしに合う古い器たち

きりりとした形が美しいピッチャーは19世紀初期のファイアンスフィーヌ¥42,000

いまの暮らしに合う古い器たち

ワイングラス、ロックグラス、リキュールグラスなど。グラスはおもに19世紀で¥5000~

ロックグラスやリキュールグラスなど、お酒が好きな宮脇さんらしいアイテムも充実しています。「ガラスも好きなものの一つです。無色透明を目指しているけれど、グレイだったり、緑色がかったり。不純物が混じって、色が入ってしまう。意図していない、不完全さに魅かれます」。
白い器やガラスの偶然できたゆがみや肌の色を愛でる。西洋の雑器の美しさを見出したのは、伝統的な骨董の世界にも通じる、極めて日本的な感性でした。
上段写真:繊細なガラスの水差しとチーズやお菓子のカバーに使うクロシェ。19世紀のもので¥25,000。奥に見えるのは18世紀の薬局で使われたガラス瓶¥48,000