Naoko Aono

Naoko Aono / Writer
青野 尚子/ライター

アート、建築関係を中心に活動しています。趣味は旅行と美術鑑賞と建築ウォッチング。ときどきドボクも。共著に「新・美術空間散歩」(日東書院本社)。

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二大巨匠の対決! レオナルド対ミケランジェロ

二大巨匠の対決! レオナルド対ミケランジェロ

記念撮影コーナー。右がミケランジェロ、左がレオナルド・ダ・ヴィンチです。

二大巨匠の対決! レオナルド対ミケランジェロ

絵画の方が上、と主張したレオナルドと、彫刻のほうがエライ、と考えたミケランジェロ。でもミケランジェロは「仲直りしようよ」とも言ってます。

ルネサンス宿命のライバル、レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロ。この二大巨匠が対決する展覧会が三菱一号館美術館で開かれています。生きているころからお互いに強く意識していた二人ですが、500年たった今となっては作品があまりに貴重すぎて貸し出しが難しく、なかなかこういう機会はありません。

二大巨匠の対決! レオナルド対ミケランジェロ

レオナルド・ダ・ヴィンチ、戦車のスケッチ。もちろん物事はそう上手い具合にはいきません。1485年頃。トリノ、王立図書館。

今回は素描が多いのですが、有名なものも来てます。上は戦車の案。回転する大鎌が敵兵をばったばったと切り倒す、というもの。上のほうに、切られて倒れた兵士も描かれています。この絵はレオナルドがミラノ公ルドヴィコ・スフォルツァに仕えていた頃に描かれたと思われます。レオナルドはミラノに来るとき、軍事技師として自らを売り込む自薦状を携えてきていました。しかしこれはちょっとご都合主義というものでしょう。レオナルド自身もあんまり実用的ではないかも、というのは承知していたようです。

二大巨匠の対決! レオナルド対ミケランジェロ

レオナルドの「単語帳」(ファクシミリ版)。1487〜90年頃。ミラノ、スフォルツァ城内トリヴルツィアーナ図書館。

ファクシミリ版(高精細複製)ですが、面白いものも出品されています。写真はレオナルドの「単語帳」。私生児で、充分な教育を受けていなかった彼は「無学の人」を自認していましたが、実は人一倍勉強熱心な性格でした。手稿にはこんなふうに”単語ノート”を作った形跡もあります。これはレオナルドが30代後半のころのものと考えられています。さらにレオナルドは40歳を過ぎてラテン語の勉強も始めました。これらの語学は彼が興味を持っていた自然科学の研究に不可欠なものだったわけですが、それにしても晩年(当時は平均寿命が今よりもっと短かったので)になってこんなに勉強しているのには頭が下がります。

二大巨匠の対決! レオナルド対ミケランジェロ

ミケランジェロの詩。グラフィックデザインのセンスもなかなかです。

こちらはミケランジェロが書いた詩。几帳面な書体はタイポグラフィの才能もあったことを伺わせます。彼は詩人でもありました。出品はされていませんが、恋人にあてた熱烈な恋の詩なども残されています。

二大巨匠の対決! レオナルド対ミケランジェロ

レオナルド・ダ・ヴィンチ、馬の後脚の習作。1508年頃。トリノ、王立図書館。

二大巨匠の対決! レオナルド対ミケランジェロ

さりげなくレオナルドをdisるミケランジェロ。

上はレオナルドの馬の脚の習作。幻に終わった「スフォルツァ騎馬像」に続く「トリヴルツィオ騎馬像」のためのスケッチでした。が、「トリヴルツィオ騎馬像」も実現することはありません。下はミケランジェロがレオナルドに言ったとされる言葉。これを聞いてレオナルドは顔を真っ赤にした、という逸話が残っています。ミケランジェロも手厳しいですね。

二大巨匠の対決! レオナルド対ミケランジェロ

二人の「レダと白鳥」対決。残念ながらどちらもオリジナルは失われているので、弟子や追随者の作品になります。右の元ネタがミケランジェロ、左の元ネタがレオナルド。

二大巨匠の対決! レオナルド対ミケランジェロ

最後にビッグニュースがあります。ミケランジェロの《十字架を持つキリスト》が7月11日から公開されます! これはロンドンのナショナル・ギャラリーで6/25まで開催中の「ミケランジェロとセバスティアーノ(デル・ピオンボ)」に出品されている作品。高さ2メートル以上の大作です。十字架にもたれかかるようにして立つキリストがわずかに体を曲げる動きが正確に捉えられています。これだけの大作が日本に来る機会はなかなかありません。もう行ったよ! という人もまた行く価値ありです。

「レオナルド×ミケランジェロ展」は9/24まで、三菱一号館美術館で開催中です。

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