Naoko Aono

Naoko Aono / Writer
青野 尚子/ライター

アート、建築関係を中心に活動しています。趣味は旅行と美術鑑賞と建築ウォッチング。ときどきドボクも。共著に「新・美術空間散歩」(日東書院本社)。

Recent
Post

«

»
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat

過去記事一覧へ

「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」、開始まで1週間!

「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」、開始まで1週間!

21の水色のプレートやグレーのコンクリートとはまったく異色のバナーが出迎えます。

「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」、開始まで1週間!

イントロはこんな感じ。グラフィック担当のneucitoraさんの力作です。

6月23日の開幕まであと1週間と迫った21_21 DESIGN SIGHT「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」。館内では今、大工事の最中です。外にいてもばりばりばり、という工作機械の音が聞こえてきます。

この展覧会はクリストとジャンヌ=クロードが昨年開催した「フローティング・ピアーズ」というプロジェクトを出発点にしたもの。「フローティング・ピアーズ」はイタリアのイセオ湖に期間限定の浮き桟橋をつくる、というものでした。クリストとジャンヌ=クロードはこれまでにも大きな谷にこれまた巨大なカーテンをかけたり、ベルリンの国会議事堂やパリの橋を布で包んでしまったりといった、雄大なプロジェクトを実現させてきています。そのために彼らはたくさんのスケッチを描き、根気よく関係者を説得し、費用を集め、技術開発に走り回ります。そんな、「そこまでやるか」と言いたくなる作家を集めました。

「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」、開始まで1週間!

西野達さんの”カプセルホテル”。ここが一番大がかりな工事をしています。

21_21 DESIGN SIGHTでは今年3月から、もう一つの棟を「ギャラリー3」としてイベントやトークなどを開いています。いろいろなところにリビングルームやホテルを作ってしまう西野達さんはここを、カプセルホテルにしてしまうという大胆な計画を立てました。窓からミッドタウンの緑が見える、珍しいタイプのカプセルホテルです。中には西野さんのアートが飾られる予定です。

「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」、開始まで1週間!

”施工中”のヌーメン/フォー・ユース。このあと、向こう側にいる人の姿がはっきり見えなくなるぐらいまでテープを巻いていきます。

ヌーメン/フォー・ユースはオーストリアとクロアチア出身の3人組のユニット。今回は粘着テープをぐるぐる巻いて、空中に浮かぶ洞窟のようなものを作ります。使っているテープは幅が20センチぐらいあるもの。これを剥がす音が案外大きいのでした。近くで作業しているとばりばりばり、という音で会話もできません。

ヌーメン/フォー・ユースはもともとデザイナーとしてキャリアをスタートさせています。椅子などをデザインしていましたが、舞台美術が好評となり、名前が知られるようになりました。大きなビニールを舞台に敷き詰めて、役者がその上を歩くようなものです。そんな空間を役者さんだけでなく、一般の人に体験してもらったらどうだろう。そんな考えから、こういった粘着テープや網などを使ったインスタレーションを制作するようになりました。

彼らの工事も佳境です。あと3日ぐらいで完成かな、とのことでした。このあとは床や壁にあたる部分を重点的に強化していく予定だそう。

「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」、開始まで1週間!

巨大な画面に立ち向かう淺井裕介さん。いつもながら熱のこもった作業に頭が下がります。

淺井裕介さんは以前、一度描いた泥の絵を分割して再構成、その上に東京ミッドタウンで採取した土で新しく絵を描く、という手法に挑戦しています。これだけ大きな画面ですが、淺井さんはさらに大きな絵の一部だと考えて描いているそう。彼の絵では大きな生き物の中に小さな生き物がいたりしますが、大画面全体を覆う大きな生き物も、その周りにある見えない画面に描かれた巨大な生き物の部分なのかもしれない、そんなことを考えながら描いているのだそうです。今回は、写真左側の大きな絵とは別に、以前描いた絵を分割したその一部も展示されます。もともとは”部分”なのですが、その1枚でもちゃんと成立しているのがすごいと思います。

「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」、開始まで1週間!

白く塗った木を組み合わせたジョルジュ・ルースの作品。ギャラリー2を出て、Z型に曲がった廊下を抜けるとその一部が見えてきます。

フランスのアーティスト、ジョルジュ・ルースの作品の一部です。この角度の写真は正確には”裏側”です。表から見るとどうなるのか、開幕後にぜひ、見に来てください。

彼はいつも、その場所や建築に合わせたインスタレーションを作ります。今回も21_21 DESIGN SIGHTの空間に合わせて新作を作ってくれました。初期のスケッチでは赤や青などの原色を使う案もあったのですが、できあがったものは白一色になりました。「この建築のプロポーションを尊重して、色を使うのはやめたんだ」。安藤建築との対話から生まれた、特別な作品です。

このほか、写真はまだお見せできないのですが、石上純也さん、ダニ・カラヴァン、ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァが参加します。

『「そこまでやるか」壮大なプロジェクト展』は6月23日から10月1日まで、21_21 DESIGN SIGHTで開催されます。実は私がディレクターです。思いがけずすごい肩書きでちょっとびびっているのですが、作家の方、スタッフの方のおかげで、予想を遙かに超えたものができつつあります。期待してお待ちください!

PAGE TOP