Naoko Aono

Naoko Aono / Writer
青野 尚子/ライター

アート、建築関係を中心に活動しています。趣味は旅行と美術鑑賞と建築ウォッチング。ときどきドボクも。共著に「新・美術空間散歩」(日東書院本社)。

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雑貨展

雑貨展

WE MAKE CARPETSの作品。

21_21 DESIGN SIGHTで「雑貨展」が始まりました。デザイナーやショップオーナーら、さまざまな人が見つけた雑貨や、雑貨をモチーフにしたアートが並ぶ展覧会です。準備は雑貨って何? どこからどこまでが雑貨? という定義づけからスタートしました。こうしてデザインでも工芸でも民藝でもない、独自のジャンル”雑貨”の魅力を探る展覧会が生まれたのです。

写真はオランダの3人組、WE MAKE CARPETSの作品。実はこれ、日本のホームセンターで買ったS字フックでできてます。大小約1300個のS字フックを4日間ぐらいかけて、ただひたすら並べたのだそう。彼らはこれまでにストローやペットボトル、使い捨てのプラスチックのフォークなどでカーペットを作ってます。素材は現地調達するのが原則です。S字フックは日本ではおなじみですが、オランダでは見たことないなあ、と彼らは言います。でもこうすると、見慣れたS字フックが別のものに見えてくるから不思議です。

雑貨展

崎陽軒のシウマイに入っている醤油入れ、通称「ひょうちゃん」。

雑貨展

マーブルチョコレートのパッケージ。1961年の発売開始以来、何度かリニューアルしているのを町田さんはコンプリートしているそう。

半世紀以上にわたって懐かしの昭和グッズをコレクションしている”街頭浪漫研究家”、町田忍さんは膨大なコレクションのほんの一部を披露してくれています。これはその中の一つ、横浜市民にはおなじみの崎陽軒のシウマイに入っている醤油入れ「ひょうちゃん」。よく見ると一つ一つ表情が違います。原田治や柳原良平ら、有名イラストレーターによる期間限定のものも。おとなりには鯛の形をした醤油入れ、通称「醤油鯛」のバリエーションが。ところで醤油入れはなぜ鯛の形なんでしょうか。それはとにかく、こういうものを集めたくなる心理はわかります。

雑貨展

長ーい銀座の地図の周りに、銀座で買える雑貨が。地図は長すぎて一部が折り畳まれています。

雑貨展

Lalitpurのパッケージ。結び目に注目。

銀座のビンテージ・ビルで「森岡書店」を構える森岡督行さんは、昭和29年発行の銀座案内を中心に、銀座で集めた雑貨をレイアウトしました。並んでいる雑貨はすべて現行品、つまり今でも買えるのだそう。森岡さんのお薦めはネパールで充分な教育や職業訓練を受けていない女性を支援する団体がプロデュースする「Lalitpur」のスキンケア製品。シンプルなパッケージを細い糸で止めているのですが、この糸の巻き方がとても丁寧で繊細なのです。ほんの5ミリほどの大きさの結び目に、何重もの糸が織り込まれるように重なっています。この巻き方は一人一人違っているのだそう。思わずこの結び目をコレクションしたくなってしまいます。

雑貨展

ここに並んでいるのは名もない人たちが作った雑貨です。たとえば右上の、自転車のハンドルにはコメのパッケージがガムテープで取り付けられています。冬にハンドルを持つ手が寒くならないようにカバーが市販されていますが、このおばちゃんは自作してしまったわけです。その他、ティッシュペーパーの箱で作った小さなタンスや一斗缶を切って木の持ち手をつけたちりとりなどが並びます。これは「民具木平」というレーベルを主宰するデザイナー、野本哲平さんが集めたもの。無名の人たちの創意工夫と、ゆるさに思わず笑みがこぼれます。

雑貨展

1階のショップで雑貨が買えます。

21_21 DESIGN SIGHTの展覧会ではショップも楽しみの一つ。今回は建築家の長坂常さんが設計した什器に、選りすぐりの雑貨が並びます。ショップは1階の入り口にあるので(展示は地下です)、展示を見る前にはまってしまう人も。危険な誘惑の多い展覧会です。

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