Hisashi IKAI

Hisashi IKAI / Writer
猪飼 尚司/ライター

1969年愛知県生まれ。ジャーナリズムを専攻後、渡仏。96年帰国し、サブカル誌、アート誌の編集を経て、『デザインの現場』のスタッフに。現在は、デザインを中心にもろもろ執筆、編集を行う。

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森田恭通さんが考える「男のリヤドロ」

先日、パリのインテリア見本市、メゾン・エ・オブジェに行ったときのこと。会場内で、デザイナーの森田恭通さんとバッタリ。リヤドロから作品を発表したから、ちょっと見てって〜」ということで、ブースに連れて行ってもらいました。
森田恭通さんが考える「男のリヤドロ」
リヤドロは、1950年代に創業したスペインの磁器ブランドで、西部の町、バレンシアにある工房で芸術性の高いフィギュリン(装飾人形)を中心としたアートポーセリンをつくっています。繊細な表情と精巧なつくりが特徴ですが、その表現はとてもファンシー&ガーリー。
森田恭通さんが考える「男のリヤドロ」 森田恭通さんが考える「男のリヤドロ」
これは一般的な男性とはなかなか縁遠い世界ですよね。最近ではデザイナーのハイメ・アヨンを起用し、ユニークな展開も見せています。
森田恭通さんが考える「男のリヤドロ」 森田恭通さんが考える「男のリヤドロ」
そんなリヤドロが森田恭通さんとタッグを組むとは、さらに意外な展開。そんな森田さんがデザインしたのがコレ。
森田恭通さんが考える「男のリヤドロ」
「Life is flower」と名付けられたこの作品は、不滅の象徴でもあるスカルに無数の花をあしらった幻想的ながら、力強さを感じさせるオブジェ。
森田恭通さんが考える「男のリヤドロ」
「現地で製造の現場を見ていたら、職人たちの圧倒的な技術力と表現力に驚かされました。この技はもっとユニセックスな表現、もしくはもっと男性的な表現に展開されても面白いはず」

こうした思いから、敢えて大胆なモチーフを選んだようですが、「リヤドロからは、NGを出されると思っていました」と、森田さん自身も最初はさぐりさぐりだったとか。       
    
斬新な提案ながらも、リヤドロが製造を決めた理由は一つ。森田さんが同社の特徴を深く理解し、デザインへと昇華させているから。特に花のモチーフは、同社ロゴマークにも使われるほど、リヤドロがもっとも得意とする技術の一つ。聞くところによれば、花びら専門の職人が一枚一枚をすべて手作業でつくり出しており、この作品にはつけられた計40種、760個の花がすべて異なる色、形をしているということ。
森田恭通さんが考える「男のリヤドロ」
花びら以外にも、工房にいる総勢700名の職人のなかには、眉毛だけをずっと描き続ける「眉毛職人」もいるということ。日本のように一つのテーブルに何人も並んで流れ作業をするのではなく、一人ひとりがきちんとしたスペースを与えられ、ゆったりとした環境のなかで作業を行っていると聞いて、なぜか「スペインっぽい」と勝手に想像してしまいました。
森田恭通さんが考える「男のリヤドロ」 森田恭通さんが考える「男のリヤドロ」 森田恭通さんが考える「男のリヤドロ」
リヤドロ本社から見せてもらった上記の写真を見る限り、工房というより、なにかの研究所みたい。機会があれば、是非ともリヤドロの工房を訪ねてみたいものです。

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