Gakuto Akashi

Gakuto Akashi / Media Producer
明石 岳人/メディアプロデューサー

1982年生まれ。静岡県静岡市出身。モバイルファーストのドキュメンタリー動画メディア「Spotwright」のCEO。ハンドメイドの自転車と家具が趣味。

http://www.spotwright.com/

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ダサいほうが売れた時代は終わる

ダサいほうが売れた時代は終わる
今となっては信じられないことだけど、ほんの3、4年前まで、プロダクトデザインの世界でもウェブデザインの世界でも
「日本ではスッキリしたデザインは好まれないから、ごちゃごちゃさせて親しみやすくさせたほうがいい」
という妄言が当たり前のように信じられていた。

でも今はどうだろう?
「みんな」が一番持っている電話はiPhoneだ。
ユニクロだって、ロゴも店舗デザインも僕が中学生の頃に比べるとずいぶんスッキリしたデザインになった。
ということは、世界中誰でも、普遍的でシンプルなデザインが好きってことに他ならない。

Appleのスティーブ・ジョブスが日本の禅、海外風にいうとZENのシンプルさの信奉者だったことはいまどき中学生でも知ってることだと思う。
彼は日本の昔のプロダクトや京都を愛していたけど、たぶんこの新宿の風景は全然好きじゃなかったことは疑いようもない。
元々、日本はシンプルデザインのパイオニアだったはずだ。

ところがいつの日からか、ちょっと歩けば街中に溢れる「激安!」「早い、美味い!」「ビル6Fランチ800円!」の立て看板があふれるようになり、大通りにたてば夜になると光りだすネオンサイン。
それはもう、世界のどこにもない、日本の愛すべき美しい風景?

多くの国では、こんなことは起こりえない。
法律で規制されているから、こんな直接的な表現でお客さんを呼び込んだりしない。
だからこそ、欧米のほうがマーケティングというものに対して、意識が高く先を行っているという意見もあるくらいだ。

京都が、その莫大な観光収入を得られているのも規制のおかげに他ならない。
でも地元の一部の人間からはそういった規制は商売を妨げるから撤廃してほしいという声もあるそうだ。

大きな看板を街の景観を壊してまで設置しなければ成立しないような商売は、果たして本質的な魅力を持っているのだろうか?
「大衆のために賑やかなデザインにしました!」そう言いはるプロダクトを、その大衆は使いたいと思うだろうか?

シンプルで美しいデザインは、引き算でできている。
表現したいことが100あっても、その99%をそぎ落として創りだすものだ。
そこに本質的な魅力が兼ね備えられていないと、残り1%は無様にやせ細ったものにしかならない。

「日本ではスッキリしたデザインは好まれないから、ごちゃごちゃさせて親しみやすくさせたほうがいい」
そう考えると、冒頭のこのセリフは本質的な魅力を持たないものしか作れないことに対する言い訳のように見える。
化粧を厚塗りし、派手なドレスを着て、ジュエリーをたっぷり身につけた成金のようなソレは、戦後のモノが少ない時代には有効にワークしたのかもしれない。

でも、それは終わった。
2011年の震災はひとつの転換点だったようにも感じる。
ゴチャゴチャと飾りつけても、シンプルに強くて美しいものには絶対に勝てない。

2020年までに間に合うかどうか。
それは、僕ら一人一人が本質的な価値を理解できるかどうかにかかっているともいえる。
僕らがそういった魅力を持ったものを日常自然に選べるようになればなるほど、この国はもっと美しくシンプルで、強い魅力を持った場所になると思う。

そんなことを友人が仕事をしている背中を見ながら考えた。
ひとつひとつ、丁寧に仕事をして、ずっと使える価値のあるものをつくる男の背中だ。
ダサいほうが売れた時代は終わる
僕ら、Spotwrightもそんな「価値」を創りだす為に、いまたくさんの準備をしている。
12月、とても素敵なことが始まります。お楽しみに!

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